60年目のロズウェル
UFOが墜落したという、アメリカのみならず世界で最も有名なロズウェル事件。1947年6月にケネス・アーノルドの「空飛ぶ円盤」目撃が大きく報道され、一般に広くUFOへの認知と関心が高まりました。そんな中、ニューメキシコ州で地元の牧場主が何かの残骸と思われる奇妙な破片が散乱する場所を発見。知らせを受けた保安官は軍へ連絡しました。そして7月8日、ロズウェルの基地の広報官ハウト中尉が「空飛ぶ円盤を回収した」と発表したのです。マスコミが大々的に報道して世界中で騒がれました。ところが翌日、残骸は軍の気象観測用気球とレーダー反射板だったと訂正発表しました。基地の第509爆撃隊は日本に原爆を投下した精鋭で、気球を円盤と誤るとは奇妙な感じです。牧場主は気象観測用気球ではなかったと語っていました。実際、回収に向かったマーセル少佐は、破片が地球の物質ではなく、薄くて軽い素材は曲げたり燃やしたりできなかったと後の1978年に研究者に語りました。ロズウェルのUFO博物館に携わるハウト中尉の娘によると、中尉も地球の物ではないと信じていたそうです。現代では、ロズウェルの町はUFOを売り物にする観光名所となっています。毎年7月にはUFOのイベントでお祭りです。60年目の今年、少佐から破片を見せられたという息子が本を出しました。また研究者が出した本には、中尉が死後に公開するよう2002年に用意していたという宣誓供述書が掲載。基地の会合で破片が回覧された、墜落場所が2つあった、回収されたUFOと頭の大きな子供のような死体を格納庫で見た等々……。高齢で直筆ではなかったので疑わしいという指摘もありますが。CNNは看板番組でロズウェルとUFOを特集し、これらを信じる上記の人々や研究者等が出演しました。これからも、様々な話とともに探究が続けられていくことでしょう。