井関さおり

 1月5日から20日、いの町紙の博物館で個展を開催しました。造形教室関係者の方々にもたくさんご来場いただき、本当にありがとうございます。
 個展はずいぶん久しぶりで、7年ぶりとなってしまっていました。怠けていたなと反省します。
 ここ2〜3年で描いたもので構成し、改めて自分の考えてきたことをまとめて見直すいい機会となりました。
 皆さんからのご感想やご意見も大変ありがたかったです。おすすめの絵本も教えていただいたり、また制作の糧となりそうな事柄がたくさんありました。
 なるべく多くの人に面白いと思っていただける世界を作れるよう、また精進していきたいと思います。どうぞ今後ともよろしくお願いします。

にじむ根源からの生命感(高新1/9)

 工作と絵画 井関さおり

 1月の課題からは2つの作品を紹介します。
 1つ目は「進め!進め!」改め「進め!戻れ!」です。「進め!進め!」は、工作の完成形が決まる前に、ネーミング担当の国吉先生がお正月休みにつけたものです。(笑) 進んで戻ってくるしかけのものになったので、改名してしまいました。
 これは、筒を転がすと、途中で止まって戻ってくる、というものです。「進め!」と声をかけて転がして、動きに合わせて「止まれ!」「戻れ!」とタイミング良く言うと、手品のように見えるのでとても好評でした。
 見た目はシンプルですが、中のしかけは作ってみないと分からないので、上級生向きの頭を使う課題でした。
 写真のKくんの「進め!戻れ!」はペンギンの顔を丸の中に上手く見立てて、面白いデザインになっています。この写真では分かりませんが、色も金と水色でなかなか洒落た仕上がりでした。
 2つ目は絵画の課題で、下級生向けの「雪の日」の絵です。グレーの色画用紙にクレパスで好きな風景や人物を描いていき、最後に白のペンキで点々と雪を描いて仕上げます。
 写真のJくんの絵はとても良くできていて、彼が身近に見ている風景画がきちんと描き込まれています。大きなマンション、電波塔に山の上の鉄塔、山の色も空の色も変化があり、とてもリアリティがあります。本人がしっかりと世界を捉えているなあと思わせる充実した絵でした。

都築房子

 香美市立美術館では、2月15日(金)より3月24日(日)まで「やなせたかし イラストの世界」展を開催いたします。やなせたかしは、皆さんよくご存知のように「アンパンマン」の生みの親として有名ですが、様々のキャラクターたちを生み出すと共に、彼独自のイラストレーションなど幅広い制作活動も手がけています。ほのぼのとした味わいのあるイラストの原画作品には、ひとひねりしたユーモアと世界のひずみに対してチクリとする批評の精神が込められていて、見逃せないものがあります。
 また今回は、毎年当館で開催してきました「世界児童画展」が共同開催となっています。こちらは1970年の大阪万博を機にスタートした巡回展です。世界の子どもたちの絵画が展示されていて、四国四県の入選入賞作品もあります。
 まだまだ季節は寒い時期ですが、皆さん少し遠出をして当館までお出でてくださいますようにお願いします。近くには大型アスレチックで知られる秦山公園もあります。