ARTの原点
都築房子

 私は小学生の頃から絵を描くことが好きな子どもでした。それで中学生になったらまっ先に美術部に入りましたが、入部した美術部の部室には「美術手帖」がたくさん散らばっていました。その中の一冊に「草間彌生」の作品がありました。中学に入ったばかりのまだ子どもだった私の目に、その作品はとても刺激的で、何か見てはいけないものを見てしまったような衝撃がありました。
 それから40年ほどして、東京都現代美術館で、その実物と再会したとき、あらためてその感動がよみがえってきて、この作品との出会いが私の美術の原点だったのだという思いを強くしました。このような幸せな出会いがあったからこそ、今の自分があるのだと考えると、子ども時代にどのような経験をするかがいかに重要であるかということに思い至ります。そして、自分自身ももっと良い作品を制作していかなくてはと思っています。

 虹の絵画 井関さおり

 先月の絵画の課題では、虹を描きました。
 スポンジに水を含ませて、虹の形を描き、黄・青・赤の3色をその中ににじませながら順番に描いていきます。この「色の3原色」で、虹の7色が表現できるようになっています。子どもたちがよく「虹を描く――」と言って、とにかく何色でも使ってしましまを描いたり、「虹色をつくる――」と言っていろいろ混ぜてドロドロの色にしたりすることがあります。3原色での色のグラデーションが「虹色」だとこの課題で伝わったらいいかなと思います。
 みんな普通の虹の形を描いた後、好きな形の虹も考えていきました。丸・星・ハート・お花・うずまき・自分のイニシャルなどなど。きわめつけはKくんの「おかあさん ありがとう」の文字。そのまわりにお母さんの好きなものをたくさん描いて、お母さんにプレゼントしていました。私もこんな息子がいたらなあ・・・。