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井関さおり |
お絵描きや工作などで作ったものは、子どもにとって特別なものです。
すべてのものが外側(世界)から「与えられたもの」だけだった子どもが、初めて自分から「生み出したもの」を手にすることだからです。
造形教室でも、自分でがんばって作った(描いた)ものを持って帰るときの子どもたちは、達成感と喜びで生き生きしています。保護者のかたから、その後「家に帰ってもそれでずっと遊んでいた」「持ちっぱなしでなかなか手放さなかった」等と教えていただき、私たちも嬉しかったことも多々ありました。
「外側から何かを受け取るだけ、消費をするだけ」しかできない人生はやはりつまらないものだと思います。子どもにとってお絵描きや工作は、「自分の内側から出てきたものをあらわし、作る(創造する)」ということへの第一歩、大きな体験です。
子どもが自分から何かを作り出せる力をサポートする仕事として、私たちもがんばっていきたいと思っています。
そんな、子どもたちから出てきた表現を、保護者の皆さんとも共有して楽しみたいと考え、次回から「子どもの絵の発達段階」紹介する文章を書かせていただきます。
子どもの絵はみんな独特で面白いものです。なぐり書きから始まり、丸が描け、顔ができ、手足がはえて、地面の線が現れ・・・等々、年齢によって変化していく発達段階があり、ふしぎなもので、これはどの国の子どもでも同じのようです。
子どもの絵を楽しみ、その成長を見守り、喜ぶ気持ちを保護者の方々とも分かち合っていければ嬉しいです。
今後何回かに分けてご紹介していきます。 |