私には、以前からずっと気になっていて、一度訪ねてみたい場所がありました。それは山形県の酒田市にある、昭和を代表する写真家・土門拳の記念館です。彼の写真はもとより、その館の建築にもとても興味がありました。設計者の谷口吉生氏は、香川県・丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館も手がけた人で、どちらもすばらしい建築物です。写真では見たことがありましたが、何とか本物を見てみたいという欲求がつのり、ついに私たち(写真の仕事をしている夫と二人)を山形への長距離ドライブへと動かしました。
出発までの準備として、まず地図でその行程を確認してみると、なんと高速道路がつながっていなくて、結構長い距離を一般道路で走らなければならないことに気付かされました。以前、石川県・金沢市までは車で行ったことがありましたから、そのままどんどん北上すればそんなに大したことではないと高をくくっていましたが、このことでちょっと不安になり始めました。あらためて地図を見ると、金沢から先の距離がとんでもなく長く見えて、どんどん不安がつのってきました。それで1日目の宿泊場所ができるだけ遠くになるまでがんばって走ろうと言うことで、新潟県の燕三条市のホテルに決めました。基本的に夜はあんまり走らないようにしようと考えていたので、チェックインをPM7:00に設定して、9月19日AM6:00に南国市の自宅を出発したのでした。(つづく) |