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都築房子 |
『ふたりの老女』
(著者:ヴェルマ・ウォーリス / 翻訳者:亀井 よし子 / 出版社:草思社)
毎年、冬になると取り出してきて再読するほど気に入っている本です。
北米の厳しい気候の中で置き去りにされたおばあさんが、たった2人で生き抜いていくお話ですが、その中には人間が生きていくのに必要な知恵が一杯つまっています。
冬の寒さが厳しくなって、早く春が来ないかなあと思うようになると、決まってこの本を読み返し、この人たちに比べると私はまだまだこのくらいの寒さで弱音を吐いてはいけない、頑張ろうと思うようにしています。
人は食物を手に入れなければ、生きていけません。その生きるということの原点を思い起こさせる貴重な一冊です。
しかしまた、食物だけでも人として生きていくことはできません。
人が生きることに必要なものは何かということも考えさせられました。ぜひ、一読されることをおすすめします。 |