11. 寒い冬 都築房子

 現在の私たちの暮らしの中には様々な暖房設備が備わっていて、さらに温暖化の影響もあり、冬もそれほど寒さを意識することがなくなっています。しかし、私の子どもの頃は冬はとても寒いものでした。朝、登校時には地面に霜柱が立っていて、あちこちの水たまりは厚い氷になっていました。当時はダウンジャケットやフリースなどの暖かい衣類も無く、特に子どもは精々セーターくらいでマフラーや手袋もせず短いスカートでしもやけやひび、あかぎれの手を擦りながら学校に行きました。学校の行き帰りには空き地で大人がよく焚き火をしていて、そこで一息ついたものでした。ある時は小学校の中庭にある池に厚い氷が張ったことがあり、子どもたちがその上に乗って遊んでいるうち氷が割れてしまい皆ずぶ濡れになったことがありましたが、最近はそんな大きな厚い氷は見たことがありません。たまに大雪の日もあり、雪だるまを作ったこともありました。
 家の中では暖房は火鉢だけで、しかもそれはおじいさんやおばあさんのためのものでした。子どもは時々その側でお餅を焼いてもらうのが楽しみでした。家の中で台所が一番暖かく、特にご飯を炊くおくどの前は暖炉のように赤々と薪が燃えていて大好きな場所でした。ご飯が炊き上がると最後にお釜に残ったお焦げをこそぎ落として作ってくれるおにぎりは絶品で今でも懐かしく思い出されます。また茶の間にはおひつのご飯を温かく保つための「ふご」(藁で編んだ籠状の容れ物)がありました。その中はいつもご飯の熱でふんわりと暖かなので子どもは大人の目を盗んでは中のご飯のおひつをふごの外に出し、替わりに自分がその中に入っては叱られていました。お風呂も自宅にあるのですが、冬の寒い夜は家族皆で近所のお風呂屋さんへよく行きました。お風呂屋さんの大きな湯槽の中で身体の芯まで温まり、湯冷めがこないうちに急いで家に帰ってすぐに寝ました。そのうちに家に電気ゴタツが普及し始めると冬の夜の暮らしに変化が見られて、皆でコタツに入ってお菓子を食べテレビを見るような今のスタイルが出来ていきました。

都築房子

『ふたりの老女』
(著者:ヴェルマ・ウォーリス / 翻訳者:亀井 よし子 / 出版社:草思社)

毎年、冬になると取り出してきて再読するほど気に入っている本です。
北米の厳しい気候の中で置き去りにされたおばあさんが、たった2人で生き抜いていくお話ですが、その中には人間が生きていくのに必要な知恵が一杯つまっています。
冬の寒さが厳しくなって、早く春が来ないかなあと思うようになると、決まってこの本を読み返し、この人たちに比べると私はまだまだこのくらいの寒さで弱音を吐いてはいけない、頑張ろうと思うようにしています。
人は食物を手に入れなければ、生きていけません。その生きるということの原点を思い起こさせる貴重な一冊です。
しかしまた、食物だけでも人として生きていくことはできません。
人が生きることに必要なものは何かということも考えさせられました。ぜひ、一読されることをおすすめします。

メガネモン

常に発展を続けているインターネットですが、通信回線のスピードが向上するとともにより大きなデータをやり取りしやすくなってきました。そのため、文字情報と画像が中心だったのが動画へと人気が移ってきました。世界には動画をネットで共有するためのサイトがいくつもありますが、一番有名なのはアメリカのYouTube(http://www.youtube.com/)です。2005年に数人によって始められたYouTubeは、わずか2年たらずで世界最大のインターネット企業Googleから約2000億円で買収されるほどに成長しました。その後も著作権の問題を持ちながらも、世界中の人々が無料で動画を見たり投稿したりできるとても便利なサービスを維持しています。世界的に国々で異なっている言葉による主張よりも、動画による方が共有しやすいといえるでしょう。携帯電話やウェブカメラで撮影した動画も投稿できます。また、以前は低画質の動画が中心でしたがより大きな高画質の動画も扱われるようになっています。ちなみにYouTubeの中で「都築房子」で検索すると、29年前の映像などが見られます。YouTubeのYouは「あなた」、Tubeはブラウン管テレビのことで、そのスローガンは「あなた自身を放送しよう」です。あなたもYouTubeのアカウントを登録して動画を投稿してみませんか?