中生代のハ虫類たち
新たな化石の発見と分析技術の進歩によって、毎年いろいろな発表がある恐竜の研究。細かい分類では、陸を歩いたのが恐竜で、空を飛んだ翼竜、海の魚竜と首長竜は恐竜ではありません。これらは恐竜も含め、中生代に栄えたハ虫類の仲間です。最も有名なのは白亜紀の肉食恐竜ティラノサウルス。昔はゴジラのような姿勢で描かれましたが、今では頭を前に突き出してスマートな体形です。現代のハ虫類のように長寿と思われていましたが、骨の成長線から寿命は30才ほどとされました。10代の間に体重が5倍も増えて20才頃に大人になりましたが、重くなって素早く動けなくなるはず。一ヵ所で様々な年令の化石が発見されたことで、群れで狩りや子育てをしたと考える研究者もいます。もともと恐竜と鳥は骨格が似ていましたが、中国で羽毛のある恐竜が次々発見されたので、二足歩行の小型の肉食恐竜が鳥に進化したことが確実視されています。最初は体温を保つための毛だったと考えられますが、その想像図はますます鳥に似た姿で描かれるようになりました。おもしろいことにティラノサウルスもそれに近い仲間で、骨から抽出した蛋白質の分子構造が鶏のものと似ているそうです。子供の時は毛があったという説もあります。一方、鳥になれなかった翼竜には、翼長10m以上ものケツァルコアトルスがいます。最近の説では、地上で四足歩行して、離陸する時にその四足でジャンプしたとも。キリンほどの大きさなのに体重は70kgしかなかったとされます。近年は「海のティラノサウルス」とも言われるプリオサウルスの化石がノルウェーで発見されました。ジュラ紀の首長竜ですが、首は短くワニのような巨大な頭。まだ2体の一部しか発見されていませんが、噛む力はティラノサウルスの数倍の15トンと推定され、史上最強の肉食動物だったかもしれません。