大量絶滅の周期

地球に生命が誕生してから40億年以上もたちますが、多様な生物が現れたのは5億4000万年前に始まるカンブリア紀でした。それ以来、地球上の多くの種が一定の期間に大量に絶滅することが何度も起こりました。特に大きなのは2億5000万年前のペルム紀の終わりで、当時の生物の90%が絶滅したとされます。この大量絶滅には周期性が見られ、原因は地球の気候や地殻の大変動、巨大な隕石の衝突など様々な説があるもののはっきりしません。2005年に発表された研究はおよそ6200万年ごとという周期を示しました。これは古生物学者が残していた海生動物の化石の膨大な記録を電子化したことで発見されました。恐竜の絶滅から数えると現代はだいたいその周期に…。生物学者の多くは現代もまさに大量絶滅が進行中と考えていますが、それは人間による地球環境の変化が主な原因とされます。現在、生物の進化の頂点に立つと思われる人類が地球の生物界全体を脅かすとは皮肉なものです。長い目で見ると、実際には地球上で生まれた種の99.9%は絶滅しており、環境に適応できた別の種と交替しています。生命の歴史は絶滅と生存の繰り返しでもある以上、われわれ人類もまた例外ではないといえるでしょう。一方、2007年には宇宙線説が提示されました。地球は太陽の周囲を秒速30kmで回っていますが、この太陽系そのものが円盤状をした銀河系の中で重い中心部分の周囲を秒速200km、2億5000万年かけて回っているのです。この間、およそ6200万年ごとに太陽系は最も宇宙線、すなわち宇宙空間を飛んでいる高エネルギーの粒子と衝突する状態になるそうです。これらは地球の大気と衝突して、気候変動や生物の遺伝子に影響する可能性が考えられます。おもしろい説ですが、今のところ確かな証拠は観測されていませんし、次のピークは1000万年先とされています。