(5)施術の中身 原 禎子

2月22日、都築房子先生が「恬愉」においでくださいました。何でも、スタッフの皆さんからの誕生日プレゼントだそうで。国吉先生から、ご予約をいただいた時から楽しみにしてはいましたが…、
イザいらっしゃった時には、若干の緊張は拭いきれないものがありました。
それはさておき、さあ施術。始まって間も無く、私が先生の背中に手を当てたとき。
「それは、今、何をしてるんですか?」先生の声。
「………」ん? 施術ですが…。いや、そうじゃないですよね? 先生が聞きたいのは…。
そのとき私は、今更ながら思いました。「『恬愉』に行ったら、何をされるんだろう(されてるんだろう)?」そりゃ、皆さん知りたいでしょうね。身体をおっぽり出して1時間あまり。自分が何をされてるのかそりゃ知りたいですよね。この場をお借りして、今の私の答えをお伝えしたいと思います。
「基本。何も考えてません。皆さんの身体の声を聴き、反応を観て、触れさせていただいてます。」
え? 答えになってないでしょうか? いや、でも今は、そうとしか答えようが無いかもしれません。
そして、そうすることで大概の場合、身体が勝手に都合のいい方向に動いてくれるのです。もちろんその日のうちに生まれ変わったような変化が有るなんて言いませんが、いい変化は必ず有ります。皆さんがお持ちの身体には、そもそもそのような能力が備わっているのです。
それは大学受験の際の内申書に「頑健」と書かれそうになった都築先生のみならず、皆さんにそれぞれ必要なだけ、ふさわしく備わっていると感じます。
それを俗に「自然治癒力」と呼びますが、その素晴らしさに日々私は感動しています。
生命には、それを快適な方向に導く力が、必ず有ります。その為に私達は、単細胞から陸に上がり、手足を生やし、二足歩行となり、行きたいところに歩み、欲しいものに手を伸ばす様、進化を遂げてきた。そして、我が脚はどこに歩まんとし、我が手は何を掴みたいと欲しているのか。
かつて学生時代に読みふけった発生学の一節を思い出しながら、時々そんなことに思いを馳せています。
皆さんも、自身の生命が持つさまざまな可能性や、その欲する行方に思いを傾け、時には赴くままに動いてみませんか? 啓蟄も過ぎたことですし。ウフ。
ラーラ

 地球温暖化がこのまま進むと、海抜の低い島々や海岸線に近い大都市は、つぎつぎと海に沈んでいくでしょう。できるだけCO など温室効果ガスをださないよう、私たちも暮らしの中のエネルギー消費の無駄をなくしたいものです。
 温室効果ガスを吸収してくれると注目されるのが、森林です。
 私たちの住む高知県は、県土の84%を森林が占めています。これまで人手がなくて、森林の手入れが十分にできませんでしたが、恊働の森事業で、県外から森林整備に役立ててくださいとお金を出してくれる団体や企業も増えています。ミュージシャンの坂本龍一さんの主宰する“モア・トゥリーズ”も、そのひとつですね。
 一方、地域ぐるみで緑豊かな森林を再生し、雇用も生みだそうという動きもあります。森林整備で生じた間伐材などの木質バイオマスを、森林救援隊や地域のみなさんから1トン3000円で買いとり、圧縮加工した木質ペレットを燃やして発電と給湯をする一石二鳥のしくみ(コジェネシステム)で、エネルギー自給を実現している地域が、仁淀川町です。地域住民の雇用を生みだし、森林再生も図れるとなると、一石四鳥ですね。
 地域にあるものを活用して、地域ごとにエネルギーをつくり出せれば、災害時にいっせいに停電という危険も回避できるし、遠くから送電線を使って電気を運ぶロスもなくなります。なお、植物は腐蝕するときCO を出すので、木質燃料はCO 排出量に含めなくてもよいそうです。だから、どうせならエネルギーとして活用しようというわけ。
 森林再生のためには、森林から価値を生みだすこと。
 いま、伐採した樹木は25%以下しか使われていない現状だそうです。木材の国内需要は減っていませんから、輸入木材ではなく国産材の利用比率を高め、副産物を木質バイオマスとして徹底利用していけば、高知県だからこそできる温暖化防止策になりそうですね。