世界のビッグ・キャット
どこから来たのかよく判らない大型のネコ科動物。世界的にはイギリスのビッグ・キャットが最も知られており、毎年のように報告されるうえ警察が捜査して警告を発することもあります。およそ6割が黒で、3割は砂色または茶色とされます。緑豊かなイギリスの各地には彼らが潜める場所が多いようです。公園でゴミ袋を破っていたり、学校や運動場をうろついたりと生々しい目撃があります。羊や馬など家畜が襲われることもありますが、2005年3月にはロンドンの南東部で庭に出た男性が襲われてケガをしました。アメリカでは、本来の生息域から東に離れたウィスコンシン州で時々ピューマが目撃されています。今年の1月に州の機関が足跡と血痕からサンプルを採取しました。その遺伝子はピューマと鑑定されたのです。もし野生であれば約一世紀ぶりとなるそうですが、生息域が全体的に移動してきているとも考えられます。また、ハワイのマウイ島では2003年に報告が相次ぎました。足跡や木が引っかかれた跡、死んだ鳥などが見つかりました。野生生物局は罠やカメラを仕掛けましたが、確かな証拠がないまま終息。野生生物学者は外国の猫が持ち込まれたと推測しました。オーストラリアでは、2005年6月にビクトリア州で鹿狩りに来ていたハンターが黒豹のような動物を仕留めました。ハンターはその動物と自分の写真を撮り、尻尾を持ち帰りました。遺伝子鑑定の結果はオーストラリアの野生の猫でした。ただし尻尾は65cmもあり、普通の猫のサイズではありえません。州政府では豹かピューマのような目撃例を2005年までの6年間で90件以上記録していました。ひょっとしたら、ある種の「化け猫」のように異常に大きくなる突然変異が存在するのでしょうか。