『はせがわくんきらいや』
(著者:長谷川集平 / 出版社:ブッキング)
この絵本は、ずいぶん昔(1975年)に発行されたものの復刻版ですが、作者の長谷川集平さんが自分自身の体験をもとにして、乳幼児期に知らずにヒ素入りミルクを飲まされたことによる被害者としての弱者の立場から子どもたちの世界を描いた傑作です。
作者は現在52才になっていて、久しぶりに芸術新潮4月号に出ていて、現在の様子が分かりました。15年前から東京を離れて長崎に住み、絵本を出したり公開講座やライブをしたりと活発に活動されているようです。
そこであらためて作者の原点ともいえるこの絵本を出してきて見ると、今でも新鮮で心を打つものがありました。今の若いお母さんたちにもぜひ読んでほしい一冊です。
都築房子 |