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  コンクールの広告より部分抜粋
  (高知新聞6月15日付朝刊)

『はせがわくんきらいや』
(著者:長谷川集平 / 出版社:ブッキング)

この絵本は、ずいぶん昔(1975年)に発行されたものの復刻版ですが、作者の長谷川集平さんが自分自身の体験をもとにして、乳幼児期に知らずにヒ素入りミルクを飲まされたことによる被害者としての弱者の立場から子どもたちの世界を描いた傑作です。

作者は現在52才になっていて、久しぶりに芸術新潮4月号に出ていて、現在の様子が分かりました。15年前から東京を離れて長崎に住み、絵本を出したり公開講座やライブをしたりと活発に活動されているようです。

そこであらためて作者の原点ともいえるこの絵本を出してきて見ると、今でも新鮮で心を打つものがありました。今の若いお母さんたちにもぜひ読んでほしい一冊です。

都築房子

ラーラ

 日本列島に55基稼働中の原子力発電所から高圧電線をはりめぐらし、20%ともいわれる電力ロスを見逃しながら、しかも高圧鉄塔周辺のこどもたちに白血病や脳腫瘍を発症させている原子力発電。
 こどもの病気と電磁波の因果関係をしらべる疫学調査は、WHOに協力して日本全国でもおこなわれ、5年前と4年前に報告されていました。大手マスメディアはほとんど報道しませんでしたが・・高知新聞はトップ記事でした。6月18日の高新朝刊もトップ記事は、WHOが「電磁波は小児白血病との関連が否定できないから、予防措置を勧告し、初指針を出した」という見出しです。オール電化住宅や携帯電話、便利さ快適さを追求して電気を大量消費させる原発が、こどもたちにどんな悪い影響をあたえ続けているか、みえない危険について注意しましょう。

《電子レンジなど電化製品や高圧電線が出す超低周波電磁波の人体影響について、世界保健機構(WHO)が「小児白血病発症との関連が否定できない」として、各国に対策法の整備など予防的な措置をとることを求める勧告をもりこんだ「環境保健基準」を17日までにまとめた。電磁波の長期的な健康影響についての初の国際指針。WHOは、日本や米国などでの疫学調査から「常時平均0.3〜0.4マイクロテスラ(テスラは磁界や磁石の強さを表す単位)以上の電磁波にさらされていると小児白血病の発症率が2倍になる」との研究結果を支持。ー6月18日付高新より一部引用》

 小児白血病について電磁波の「直接の因果関係は認められない」とは電力関係業界への"配慮"にみちた表現ですが、たとえば携帯電話や電子レンジに使われるマイクロ波の場合、ごく微細な電波が物質内部の「水」分子を振動させ、熱をおびさせます。たべものが"チン"されると同じように、頭蓋骨のうすくてやわらかいこどもたちの頭の中も携帯電話で"チン"されて脳腫瘍ができる危険性が高いことを、サーモ(熱変化を視覚化)映像で見たことがあります。マイクロ波と小児脳腫瘍の因果関係は、はっきりしているので、ヨーロッパの数か国では、15歳以下のこどもたちに携帯電話を使わせていないと聞きます。
 また、「因果関係」が証明できない段階でも、危険を回避する予防原則の考え方により、こどもたちが集まる施設は、送変電施設から離すのは常識だそうです。
 日本では、大企業の利潤優先にマスメディアはとても"配慮"していますね。