手作り雑貨とカフェ、フリーマーケット チュンズ

 5月号にご掲載いただいた『第一回 チャイハネ』。
 小規模だったにもかかわらず、280人のお客さまにご来場いただくことができた。
 4月中旬にイベント開催が決まり、事務局はまず保健所に問い合わせ。それから資料作成、広告の手配。チラシのポスティングを手分けして2週間前から始め、家族の多そうなお家や、かわいいポスト、新しくできたマンションなどを目処に、小学校や駅周辺を自転車で巡った。
 出展者には、フリマのベテランさんもいれば何もかも初めての学生さんも。ハーブティカフェ、手作りクッキーやパン、燻製品、花やお手製のバッグ、革小物、木工芸品、消しゴム判子、天然石アクセサリーなど様々に並ぶ品。
 終了時には参加者の方から、特技を活かして発表・交流し、レベルアップに繋げられたとの声を聞くことができた。ほとんど儲けは無いが、いただいた参加費の一部をフィリピンなどの「僻地医療を支援する会」へ寄付する予定でいる。

 造形通信を見たという方もお見えになり、ご協力いただいた全てのみなさまに感謝、感謝の2日間だった。

輸入雑貨feicui 高知市一宮西町2-2-23 営業11:00-18:00(月曜休) tel/fax 088-845-1393

谷口貴子

5月6日は、パリ20区の中で一番左派支持率が高い地区にある左派が集まるカフェで、友人や子供たちと一緒にテレビで大統領選挙の最終結果を見ました。数日前に見たロワイヤル、サルコジのテレビ討論の後、サルコジの巧みな話術に圧倒され、時には非現実的とも思われる公約を口走っていたロワイヤルの当選は難しいなと感じたのは私だけではなかったようで、20時に最終結果が発表される前からカフェの中には落胆ムードが漂っていました。
今回の大統領選挙では、初の女性大統領なるか、という事が話題にのぼらなかった訳ではないのですが、性別については投票率に大きく影響しなかったと感じます。男性でも女性でもいいから、とにかくフランスをなんとかしてくれ、という国民の切実な願いは、投票率85%という数字からも明白です。
外国人として気になる移民対策ですが、サルコジは最後まで「選ばれた移民」「フランス人のアイデンティティを取り戻す」という考えをかたくなに出していました。これは極右の考えを言い換えた危険な思想と強く批判され、ロワイヤルも「非人道的なやり方は絶対に受け入れられない」とテレビ討論で怒りをあらわにしていました。一方でサルコジは「今までの古いフランスを捨て、あたらしいフランスへの改革」をする私について来いと、停滞する現状に不安や不満を抱く多くの国民に希望の光を与え、説得する事に成功しました。
また予想された通りサルコジ当選後、反対派、特に若者達が暴れています。フランス各地で暴動に参加し、逮捕された若者達に次々と異例の厳しい判決(懲役6ヶ月以上)が下されています。そして選挙中に大きく話題になった不法移民に滞在許可書を求めるデモは、選挙後も根強く続いています。ただマスコミ効果が必要となくなった今、これらの暴動やデモは選挙中ほど大げさに取り上げられることはなくなってしまいましたが。。。
勝利演説後のお祭り騒ぎの中、サルコジが誇らしげに「私は全国民の大統領だという事を、私に投票しなかった人たちも理解してほしい」と言ったように、反対派も最低5年間は彼を受け入れるしかないのが現実。
長期滞在する外国人に投票権がないのは、とても残念なことです。。。
ラーラ

 ドイツ映画『みえない雲』を見ました。
 原作は、1986年チェルノブイリ原発事故の翌年に発表され、大きなセンセーションを巻き起こし、ドイツ青少年文学賞などを受賞したベストセラー小説。地球を汚染したチェルノブイリ原発事故から20年となる昨年3月に公開され、現在17基の原発が稼働中のドイツで、映画の評判と衝撃が瞬く間に広がったそうです。
 大惨事そのものではなく、極限状況におかれた群衆の緊迫感と、少女から大人へと変貌していく主人公ハンナの心の軌跡が丁寧に描かれています。
 現在55基の原発が稼働中の日本で、この映画は"今ここにある恐怖"として多くの人々に強い衝撃と、あすへの希望を提起するでしょう。
 映画の中では「南東の風が吹けば2時間で放射能がやってくる」「放射能の雲が来る前に逃げなくては」「原発の近くで必要なのは墓堀人と骨髄移植の専門家だけだ」「ばかな政治家どもめ」・・と、チェルノブイリ事故を体験したドイツ人、それもギムナジウムの若者たちに、いかに詳細な情報に基づいて議論させているか、驚かされます。
 また、群衆のパニック状態を描ききったところが凄い。危機に直面したとき、個人が、群衆が、どう変貌するか。集団催眠を経験した民族だけに、この観点からの問題提起が大きかったと思います。
 伊方原発の風下/高知県でも、危機を回避するために、私たち日本人の論議を起こさなくては!!
 高校生大学生ら若者諸君に、ぜひ見てもらいたいと痛感しました。

『みえない雲』ドイツ映画/グレゴール・シュニッツラー監督/グードルン・パウゼヴァング原作(小学館文庫刊)/103分