イギリス国防省の透視実験
今年の2月、イギリスがUFOに続いて超能力においても、アメリカほどの規模ではないにせよ研究を実施していた事実が初めて明らかになりました。やはり情報自由法による請求で公開された資料です。それによると、2001年から2002年にかけて、遠い所にいる人々が思っていることについて情報を集める能力、いわゆるリモート・ビューイングに関する説を確かめるのが目的でした。ただし、様々な名称が黒塗りで消されているので、参加者は特定されていません。担当した心理学者たちは、12人の有名な「透視能力者」を募集しようとしましたが失敗しました。そのため、後に経験を積んだ被験者のデータと比較する狙いで、初期段階として「未訓練の被験者」を用いました。実験は、秘密の借家で目隠しをした人々が密封した封筒の中の写真について探るものでした。マザー・テレサ、アジアのある男性、折りたたみナイフの3枚以外は、何の写真だったのか明かされていません。結果は、目標の特徴に接したかもしれないというものが約3割でした。1人は実験中に深い呼吸になり眠ったかと思われましたが、部分的によく成功した方だそうです。また、実験がアメリカの同時多発テロの2ヵ月後、2001年11月に始まったことは、いずれ研究を進めて当時のテロリストやイラクの大量破壊兵器を探し出すことに利用したかったのではという憶測を呼んでいます。しかし、国防省は超能力の応用の可能性について議論せず、国防にとって価値がほとんどない研究と結論し、それ以上行わなかったと発表しました。新たな資料が出てくるまでは判りませんが、アメリカとロシアが超能力研究を続けていると推測する人々にとっては、これがイギリスも疑う要素の1つとなるかもしれません。