フランスの公的UFO研究
2年前にイギリスの国防省が情報請求に応じてUFOの資料も公開するようになりましたが、今度はフランスのCNES(国立宇宙研究センター)が約30年集めたUFOの情報をホームページで見られるようにするという発表がありました。約1600件とそれに関連する約6000件の報告を3月から公開する予定で、報告をした人々には航空機のパイロットも含まれているそうです。ただし名前は個人を保護するために伏せられます。アメリカのNASAや日本のJAXAのような宇宙機関のCNESが、こんなサービスを行うのは意外かもしれません。しかしフランスは、UFOを未確認航空宇宙現象として、古くから比較的オープンに研究を行っていました。すでに1974年、フランスの国防大臣は軍や警察から多数の報告がCNESへ送られていると語っています。1977年にはCNES内部に科学的な調査研究を行うグループ、GEPANが設立。1974年から1978年にかけての警察からの報告を分析した結果、GEPANの長を務めた天文学者のクロード・ポエル博士は、観察されたUFOは物理現象で一部はその素姓や推進方法が全く未知の空飛ぶ機械と結論づけました。その後は1988年にSEPRA、2005年にGEIPANへと組織を変えて受け継がれました。イギリスと異なりUFOに対する国防意識が強いのか、1999年には空軍の将軍等を中心に国防高等研究所とCNESの専門家たちが報告書を出しています。世界のUFO事件から約500件を3年間研究し、一部のUFOは宇宙人の物とする「地球外仮説」が最も妥当としました。これについてフランス国外の主な報道機関はふれず、アメリカのある新聞が紹介したのは1年近く後でした。フランスの姿勢で世界のUFO研究が促進するように願いたいものです。