(1)「恬愉」の由来 原 禎子

造形教室の卒業生で、現在は鍼灸マッサージ師をしている原禎子さんです。ときどきこの造形通信に寄稿していただいているフェイチュイのチュンズさんと同級生でもあります。都築

 朝寝坊して起きると、高く貫ける晴天。網戸から吹き込む風は、さらさらと澄んで心地よし。こんな日はゴロゴロと縁側に陣取って、寝そべりながら熟れた果物なんか食べて、その分少し遅くまで本を読んだり…。したいなー。あー したい、したい!!
「恬愉<テンユ>」…屋号の由来をよく聞かれるのですが、これは「恬淡虚無にして愉し」要は「心にわだかまりがなく伸びやかな様子」を意味します。古代の中国の書には、医学書に限らず、養生(病気の予防)に於いて、とても大切な事のひとつだと説かれています。そして、それらの書の中には「イマドキの若い人はそれがわからないから…」と書いてあるものまで(笑)
 確かに、どんなご時世であろうと「恬愉」を保つことは、容易い事ではないですよねー。日々の雑事の煩わしさや、大小さまざまなトラブル。更には、世の行く末を憂う心は、今昔変わらず…。といったところでしょうか?
 とは言え「心のわだかまり」や多少の「不愉快」は本当に無いほうが良いのでしょうか? それに囚われ、振り回され、渦に巻き込まれている間は、良く解らなくとも、ふと息をつき、波が凪いだとき、今までの心のザワつきや、イガイガした出来事が、大切なことを気づかせてくれたり、モチベーションにつながったりすることも万々ありますよね。そのことに照らせば、そんなザワザワに感覚を閉ざしたり、無かった事にしたり、何かのせいにしたりと、片隅にギューギューと追いやってしまう。そのことが、肩でコリを作ったり、おなかで便との別れを惜しんだりにつながって来る…。といってもウソにはならないでしょう。(そのコリもまた、その人を支える大事な柱だったりもしますが…それはまた別の機会に)

鍼灸・マッサージ 「恬愉」

高知市桜馬場4-15 1F西(102)
Tel 088-823-2297
 恬愉を保つことは難しくとも、時々は身に降りかかる煩雑な出来事を、恬愉の種として、育み見つめることも、なかなかオツな事では? そうすることで、ごくまれに訪れる冒頭のような休日を、味わい深く過ごせること請け合いです。 なーんてね(笑)。
ラーラ

 津野町、東洋町で「高レベル放射性廃棄物最終処分場」つまり「核のゴミ捨て場」に応募する動きが表面化しています。この2つの町ばかりでなく、わかっているだけで高知県23地区がねらわれています。なぜ、高知なのでしょう?
 貧しく、人口が少なく、お年寄りが多く、町議会が誘惑に負けやすいから・・でしょうか。
 なぜいま必死になって「核のゴミ捨て場」を探しているのでしょう?
 原子力発電でできた核のゴミを再利用する計画は、もんじゅの事故で「うまくいきっこない」とわかりました。でももう、たくさんのプルトニウムが貯まっています。世界中の国々から日本は「いったい何十回地球を壊すつもり?」と追求されるので「いやいやこれはプルサーマルで燃やすのだよ」と弁解しています。でも、高レベルの核のゴミもたくさん溜まってしまいました。
 国は半世紀のあいだ間違ったエネルギー政策をしてきたことを認めないために、危ない「プルサーマル」を実行し、危ない「核のゴミ捨て場」を決める必要があるのでしょう。そして再利用のためにつくった青森県六ヶ所村の再処理施設を本格的に働かせる必要があるのです。
 東洋町は、近いうちに「核のゴミ捨て場」を受け入れてしまいそうです。そうなると町の漁業、農業(ポンカン産地)は風評被害にあい、年間9万人のサーファーがやってくる美しい生見海岸から人影が消えてしまうでしょう。
 それ以上に怖いのは、地下水や海水に高レベルの強い放射能がもれ、近い将来、生物の住めない場所になってしまうことです。

「高レベル放射性廃棄物について学ぶ講演会」を、10月15日(日)14〜16時、高新文化ホールでおこないます。講師は、元京大原子炉実験所講師の小林圭二さん、市民活動家で『東京に原発を!』や『燃料電池が世界を変える』などたくさんの著作のある広瀬隆さん、資料代500円です。