湖底の戦闘機とUFO?
1953年11月23日、アメリカのミシガン州にあるキンロス空軍基地から戦闘機F-89Cが緊急発進しました。高速で飛ぶ未知の物体が地上のレーダーに捉えられたため、その迎撃に向かったのです。基地の北西およそ250km、カナダとの間にある五大湖の1つスペリオル湖上空で、レーダーのスクリーンではF-89と物体を表す2つの輝点が接近して1つになりました。そして、F-89の輝点は消えて通信が途絶えました。しかし未知の物体の方は、空軍の記録によるとそのまま飛び続けたそうです。F-89は2人の乗員もろとも行方不明となり大規模な捜索が行われましたが、雪が降って湖水が凍っていたこともあって何も見つかりませんでした。空軍は物体がカナダの輸送機C-47だったとしましたが、カナダは否定しています。ところが、半世紀以上が過ぎた最近になって、ミシガン州の会社がスペリオル湖のカナダ領内でF-89を発見したと発表しました。技術者とダイバーで沈没船の探索等を行っている五大湖潜水社は、音波の反響で湖底の地形を映像化するソナーと遠隔操作できる水中探査機を使いました。水深80mほどの機体は尾翼の一部と左の翼が失われていましたが、驚いたことに本体はほぼ完全な形でした。さらに翼の残骸を探していると、65mほど近くに金属の「謎の物体」を発見。埋もれていない部分は長さ4.5m幅2.5mほどのしずくのような形で、湖底をえぐった跡が続いていました。付近一帯にはF-89と物体しかありません。五大湖潜水社はこれらの映像を公開し、この2つが湖面近くを低速で飛行中に衝突した可能性をあげています。しかし現在、カナダ政府は現場の座標を提供して関係者を同伴させなければ水中探査機による調査を許さないそうです。五大湖潜水社ではあきらめずに来年さらに調査を行うとともに記録映画を制作する予定です。