ノアの箱船撮影?
大洪水でトルコのアララト山に漂着したというノアの箱船。アメリカのリッチモンド大学のテイラー教授が衛星写真を頼りに調べていることを3年前に紹介しましたが、その続報です。1993年からノアの箱船について探究してきた教授はこの3月、商用衛星クイックバードが2003年に撮影したこれまでで最も鮮明な画像を公開しました。近年は衛星の性能が向上し、商用の衛星も増えています。最新の軍の偵察衛星には及ばないものの、高い解像度の衛星画像が一般にも身近になり、画像をつなげて地球全体を見せるグーグル・アースのようなサービスまで登場。それで古代の遺跡を発見した人もいます。さて、今回の画像はアララト山の西にある台地の北西、高さ4663mで撮られました。三日月にやや近い細長い形をしており、氷雪に覆われて比較的滑らかに見えます。その構造の縦横比はおよそ1対6で、聖書に書かれた箱船と合っているのです。しかし長さは300mと見積もられ、これは聖書の箱船の2倍もあります。そんな巨大な木造船がありうるのでしょうか。テイラー教授は、船舶工学の人々と協力して、この大きさの木造船が実際に浮かべるのか判断するそうです。船に似ているだけの自然の地形であっても、伝説の元となった可能性はあるかもしれません。教授は氷や岩ではなく何らかの人工物と確信しながら、現場を調査する探検に向け、これからの商用衛星にも撮影を依頼し、情報機関には明確な画像を公開するよう求めています。過去にはCIAが衛星写真から「アララトの異常」と名付けました。偵察衛星の性能は軍事機密なので、その画像も公開されにくいものです。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の人々にとって、旧約聖書の内容が確証されることは大きな意味があります。箱船が確認できれば考古学的にも人類史上の大発見となるでしょう。