ラーラ

 ふたたび野田正彰さんの登場。今回は、憲法と教育基本法がいかに解体されつつあるかというお話です。民主的で文化的な国家を建設し、世界平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した日本国憲法。この憲法に描いた理想を実現する根本は教育の力にあるとして、丁寧な討議をかさねて制定した教育基本法。いま、その憲法から「民主」「平和」を抜き、教育基本法から「個人の価値」「自主的精神」を抜き「愛国心」を入れ、国家に従属する骨抜き国民をつくるかの動きがあります。
 たとえば、教育の目的。現行「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行なわれなければならない」から大切な言葉を削りとり、改正案は「教育は、心身ともに健康な国民の育成を期して行なわれなければならない」となるそうです。
 また、教育行政。現行「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行なわれるべきものである」を、「教育行政は、ーーー」に変えるそうです・・・。教育を行政の力でねじ曲げようとする意図がみえみえですね。現に、教育委員は行政の任命制になっていますし、石原都政では、君が代日の丸に抗う教員たちへの不当な圧力が進行中です。
 さらに、個々の教員たちの教育への意思と熱意をそぐために、文科省は情報化という罠をしかけました。子どもたちを評価方法を細分化するのです。たとえば京都の小学校、子どもひとり1学期の評価は180項目あります。6年生の算数では「分数についての感覚を豊かにし、約分通分の意味とその方法を理解している」「速さや人口密度などを単位量あたりの考えを用いて筋道をたてて考える」・・・これを1学級40人なら720項目ですよ。つまらない評価にエネルギーを使わされる教員も気の毒ですが、子どもたちはどうなるのでしょう?
 おなじような自己評価を強いられた中学生は「ウソの訓練をされている」「気に入られる子になるだけ」と勇気を出して書いたそうです。
チュンズ

教室の卒業生で、現在は輸入雑貨店「フェイチュイ」を営まれるチュンズさんです。今回はじめて造形通信に書いていただきました。14回に渡る海外への旅の経験がおありです。都築

 1月30日。東方航空松山上海間一周年で、その日だけ往復航空券が記念価格だった。
 高速バスで高知松山往復が6300円、松山上海往復35000円、上海浦江国際YHのドミトリー(1泊55元)に滞在するとして、6泊くらいはできる。
 一週間前の23日、ウェブでチケットの予約を取り買い付けに行こうとしてよく考えると、今年の1月29、30、31日は春節(旧正月)ではないか。帰省客でごったがえす機場や車站が予測された。爆竹の音がしたりして賑やかかもしれないが、肝心の商店が開いてないのはいけない。
 そこで仕方なく1月の仕入れの旅は見送ることに決め、2月14日、東京のインターナショナルギフトショーへ向かった。海外だろうと国内だろうと自分の足で歩き、目で見、感を働かせて知識を深める。
 輸入雑貨屋を始めたのは商売をしていた祖父の影響も多少はあるのだろうが、これまで生きてきた経験を全力で活かせる仕事だと思っている。人生という名の旅は続く。

Bun

nBoxギャラリーに住みついている猫、『スイッチ』がテレビに出ることになりました。ほんの2〜3分ですが撮影は半日+次の日の早朝。2日間もかかってしまったのは、売りの「背中に飛び乗る」ところを撮影するがためでした。番組のキャスターの方ご本人がハンディーカメラを持ってやって来たのに、なかなか背中には乗らず、「一緒にお散歩」シーンでは、カメラに映ろうと娘が前へ前へ・・・大変でした。と、キャスターの方も思っているのでは。3月8日午前11時30分〜NHK高知で放送されます。猫背気味な私がさらに猫背になり猫を乗せている姿を見ていただけたら嬉しいです。

−私たちのなかの子どもへ− (27) 久保慧栞

ナルニア国へようこそ 「ナルニア国ものがたり」シリーズ
1『ライオンと魔女』2『カスピアン王子のつのぶえ』3『朝びらき丸東の海へ』4『銀のいす』5『馬と少年』6『魔術師のおい』7『さいごの戦い』
(著者:C・S・ルイス / 絵:ポーリン・ベインズ / 訳:瀬田貞二 / 出版社:岩波書店)

 イギリスで生まれた異世界ファンタジーは数あれど、ナルニア国ほど懐かしい場所は、そうそうありません。子どものころ、ナルニアの物語を読んだ大人には、登場人物や風景が、いつまでも目の前によみがえってしまうのです。まるで本当の体験のように。
 不思議な運命が、時空を超えて、ペベンシー家の4人きょうだいを、ライオンの姿をした神、アスランが創ったナルニア国へ送り届けます。田舎の屋敷に置かれた古い洋服ダンスの奥に、入り口はあったのです…向こう側は雪の森、1本の街灯が立っていて、白い魔女が支配する冬のナルニアが広がっていました!というファンタスティックな映像が、映画となってもうすぐ見られます。
 日本のナルニアファンはこれまでブームを体験してこなかったため、今回の映画化がどれほど影響するのか予想がつきません。ただ、『指輪物語』の後だけに、かなり戦闘シーンも強調されていることでしょう。クリスチャン的すぎると批評されることもある「アスランそのひと」への想いを純粋に共有するなら、やはり原作に親しんでほしいと思います。独りでナルニア国へ行くという読書体験は、何ものにも換えがたい宝ものとなることでしょう。