水素を利用する技術の開発
地球の人口が増えるにつれて、より多くのエネルギーが必要となります。現在は石油石炭などの化石燃料が主力です。燃やして使いやすいのですが、埋蔵量に限りがあり二酸化炭素をたくさん出して環境を変えてしまいます。そのため、よりクリーンなエネルギーに代える試みが行われています。なかでも、水からできる水素は燃やすと水に戻るので理想的です。自動車ではガソリンの代わりに水素を燃料とするエンジンや水素と酸素の化学反応による燃料電池の開発が進んでいます。また、現在の原子力発電は核分裂による発熱で、何万年も強い放射能を持つ廃棄物が出る核燃料を使っています。これが太陽で起きているような水素の核融合による発熱ならば、放射能が少ない原子力発電ができるため、その実験炉の建設が国際的に推進されています。さて今年、水を燃料とする装置を開発したとするアメリカの科学者ランデル・ミルズ氏について英国のメディアが報じました。彼は従来の燃料の1000倍もの発熱をする特殊な水素が存在するという自説に基づき、1991年に会社を設立して実用化を進めてきました。現代科学の常識と異なるので主流からは全く否定されていますが、肯定する人々もいます。1996年に1年間、電力会社のために調べたエネルギー専門家はエネルギーの発生を確信しました。NASAに資金を提供され、ロケット用に同種のエンジンを研究している工学者さえいます。今年、研究に招かれた名門ノースカロライナ大学の化学者と物理学者は、データは疑いないとしました。最初の製品は数年後、家庭用ヒーターになるそうです。ミルズ氏は多数の検証と投資を得ているとし、証券会社が株式公開を望んでいるとも伝えられました。もし完全に認められれば、科学理論とエネルギー問題に革命をもたらす技術です。