国吉晶子

ドイツのユニクロ「H&M(ハ−・エム)」では夏物バーゲン真っ最中。
中国ともインドとも日本とも区別のつかない、アジア風の模様の入ったTシャツを、金髪の女性たちが真剣に選んでいました。
欧州の100円ショップ「1ユーロ・ショップ」の品揃えは、日本の方が勝ち。
アクセサリー、カード立てなどは確かに1ユーロですが、ビーチサンダルなどは別札がついていて3ユーロ。奥に進むと、骨とう品などがあり、まるで別の店。
芸能人のポスターがあり、CD屋かと思い入った店は、大型電気機器店でした。日本のコジマヤに入り、店員・お客さんを全て欧州人に置き換えたよう。繁盛していました。
街中にカフェが多いのは言うまでもなく、半分道路に突き出したカウンターには、いろいろな種類のパンやケーキが並んでいました。のぞくと、パンの周りにはハエではなくハチの群れ!!
売る方も買う方も、気にとめない様子で、私は驚き立ち去りました。
ジャーマンソーセージだけは食べておこうと、カレーソースのかかったものを露店で買い、「美術館めぐりは明日から…」と考えなら、立ち食いをしたのでした。 ※1ユーロは約139円
−私たちのなかの子どもへ− (23) 久保慧栞

展覧会のお知らせ 『アンデルセン展』−アンデルセンの童話と国際アンデルセン賞作品展−

会期:10/19[水]− 11/5[土] 9:00 − 17:00(休館日10/24、28、31、11/3)
会場:土佐市立土佐市民図書館 土佐市高岡町甲2177(入場無料)
    TEL 088-852-3333 / FAX 088-852-3484

  デンマークに生まれた世界的な童話作家で、詩人でもあったアンデルセン。生誕200年を迎える今年、各地で展覧会が開催されたり、関連本の出版が相次いでいます。貧しい境遇から苦労の末に童話世界の王様となった彼の生涯は、まさに『みにくいアヒルの子』そのものといえるでしょう。世界じゅうの人が、彼の物語を心の金庫にしまっています。世界じゅうの子どもたちが、大人たちが、アンデルセンの魂に、日々、ふれているのです。
 今回、展示をお手伝いをさせていただき、アンデルセンの本がいかにたくさんあり、世界じゅうの作家や画家たちに愛されつづけているのかを目にし、あらためて畏敬の念に打たれました。展示されている本は貴重なアンティークから最新の絵本までかなりのボリュームです。英語の原書もかなり展示されています。手に取って読めるので、ぜひお出かけください。

国際アンデルセン賞:1956年に創設された国際児童文学賞で、「小さなノーベル賞」とも呼ばれています。隔年ごとに授与され、現在は作家や画家の全業績に対して贈られます。日本人では赤羽末吉、まどみちお、安野光雅が受賞しました。

ラーラ

 7月、映画『東京原発』とあわせておこなわれた、2つ目の講演のご紹介です。高知大学理学部教授 岡村眞先生は、せまりくる南海地震に私たち高知県民はどう備えておけばいいか、精力的に啓発活動をしていらっしゃいます。世界の中でも最も地震活動の活発な日本列島に、いま53基もの原子力発電所が、稼働しています。まだ完成されているとは言いがたい、終末の処分場さえ決まっていない「トイレのない家」と言われる原子力発電所。そんな原子力発電所がどんな所に建っているのか、きょうは、みなさんに知っていただきたい、そして、ご自分でお考えいただきたいと思います。
 日本列島は地震の活動期
1) 強い揺れ/この10年で地震データが増えた
  戦後50年間、日本列島は静かだったが、10年前の阪神淡路大震災から西南日本は、鳥取県西部地震、福岡西方沖地震と地震活動の激動期にはいった。1995年以降、強い揺れを測定する強震計を全国に1300カ所設置、たくさんの地震データがとれるようになり、複数の場所で1000ガルあることがわかった。日本の原子力発電所は375ガルを基準にしているが、その3倍の揺れが起きている。観測すればするほど、すごい揺れになっていることがわかってきた。
2) 直下型地震/いかなる建造物もまっぷたつ
  中越地震では、雪の重さに耐えうるしっかりした構造の家が、まっぷたつに破壊されている。地盤がまっぷたつに裂けるから。小さな地震でも直下型で起きると、揺れはものすごく大きくなる(震度7)。活断層の真上にあれば、いかに強固な建造物であってももちえない。10年前の台湾中部地震ではダムがまっぷたつになった。直下型地震は980ガルを超えるというのは、今は地震学の常識。
2 私たちの足下で
1) 規則正しい南海地震
  私たちの足下には、フィリピン海プレートが毎年6cm南東から北西方向に動いているので、その力を2つのところで解放している。1つは、南海地震を起こす海底の活断層。100年間圧縮された力を100秒でドンともどす、これを世界でも最も規則正しくやっているのが南海地震。
2) 日本最大の活断層/伊方原発の6km北の海底
  もう1つは、四国を横切っている中央構造線という日本最大の活断層。もし動くと最大8mくらいは動いてしまう。阪神淡路大震災でも横ずれ1.7mくらいだから、いかに巨大な地震になるかおわかりいただけるだろう。2000年に1回くらい動いている。徳島自動車道、松山自動車道は、断層に沿ってつくられた。揺れは、断層から10〜20km離れて小さくなるが、この活断層から6kmしか離れていない所に、伊方原子力発電所があり、プルサーマル計画が進行中。