気象を操作する技術
水が豊かな日本では実感しにくいですが、地球温暖化のような気候変動により、将来は世界的な水不足になると予想されています。それで農作物の収穫が減って食料危機にもなります。必然的に世界の国々が求めるのは気象、特に雨をコントロールする技術です。ドライアイスや化学物質を飛行機などで雲に散布し、雨の量を増やす方法が一般的です。自然の気象条件に左右され、常に効果がある訳ではないですが、世界中で行われています。農業国のタイでは国王自ら人工降雨の技術を考案、推進しています。中国は北京市などで多用され、ロケットや砲弾で雲に撒く都市もあります。ロシアも行っていますが、晴れの天気を作ることでも知られます。国の式典などを行う都市へ近づいてくる雨雲に雨を降らせます。そのために空軍の飛行機が出動するのです。日本では、東京などが渇水対策で人工降雨装置を使うことがあります。雨が少なかった今年6月、小泉首相が閣僚懇談会でロシアの例をあげ、雨を降らせる技術を尋ねています。アメリカでは3月に気象改造研究技術法が議会に出されており、10月に施行されるかもしれません。商務省に委員会を設けて包括的な研究開発を行うのが目的です。近年、アメリカ各地でケム・トレイルと呼ばれる奇妙な飛行機雲が報告されています。拡散して雲になると言われ、一部では健康被害も訴えられています。当然、政府は否定していますが、気象操作の実験を疑う人々もいます。ハリケーンに関しては、1960年代に改造する計画が実行され、やはり化学物質を海軍機で撒いて勢力を弱めようとしました。しかし核爆発も問題にならないエネルギーを持つハリケーンには効果が不確かで、1980年代に放棄されたそうです。いずれにせよ、雨という水資源を地球上にうまく分配するような国際協力が望まれます。