大ピラミッドの謎の構造
エジプトの首都カイロから南西にあるギザ台地の3大ピラミッド。世界の七不思議の中で、最も古く今も残る唯一の建築物です。古代は頂上から白い化粧石で覆われ、滑らかな表面が輝いていたといいます。一番大きいのは第1ピラミッド、クフ王の大ピラミッドです。クフと読める落書きは内部にありましたが、正式に刻まれた象形文字の記録はなく、誰がいつ何のために建てたのかよく判っていません。王のミイラや副葬品はなく、それが盗まれたという証拠もありません。具体的な建築方法も不明で、ただ石を積み上げたのではなく内部に複数の部屋があります。通称「王の間」「女王の間」「地下の間」が通路でつながっています。これらは東に片寄っているので、西に未発見の構造があるとも考えられ、早稲田大学の調査隊は電磁波探査で未知の空間を探知しています。さて、19世紀のイギリス人の調査で王の間と女王の間には南北に小さな穴が発見されました。いずれも縦横20cmほどの四角い穴が上にのび、王の間からはピラミッドの外壁まで貫通していますが、女王の間の先は未確認でした。それから100年以上たった1993年、ドイツ人の技術者がリモコンのロボット車を南の穴に送ります。64mほど登って、銅の取っ手が出た小さな石戸がカメラに映りました。2002年に別の車が戸にドリルで穴を開けると、すぐ後に別の石戸がありました。また、南と同様に北の穴でも取っ手つきの石戸が見つかりました。エジプト考古局の長官は、取っ手にロープを付けて動かしたと考え、クフ王の部屋がどこかにまだ隠れている可能性をあげます。今年の10月、これらの戸の後ろをシンガポール大学のロボット車が調べ、ピラミッドをイギリスの調査隊がレーダーで探査する予定です。大ピラミッドにしかない構造の正体が判明するのでしょうか。