『子ども時間の本たち』(著者:久保慧栞 / 絵:中西奈穂子 / 私家版)
今月は、自著『子ども時間の本たち』を紹介させていただきます。昨年一年間、高知新聞紙上で連載させていただいた同名の児童書エッセイを、このほど、一冊の本にまとめました。このタイトルは、もともと、造形通信の連載のタイトルだったのですが、新聞連載を経て、本のタイトルとなりました。内容は連載時よりも加筆しています。50冊の本のセレクトは同じです。
いわゆる児童書と呼ばれているこれらの本には、「大人のなかの子ども」に向けたメッセージが込められていて、私自身が本との対話のなかから励ましや癒しを得た体験談としても読んでいただけるかと思いますし、この本が、本との新しい出会いのきっかけになれば、何よりうれしいことです。
50点の絵すべてに登場する「くつ」は、「自分の足で歩いていく」という願いを込めて描かれました。それは、いまだに自分の足で歩くことにふらついている私自身に向けたメッセージでもあります。表紙の絵は『魔女ジェニファとわたし』(カニグズバーグ作)のイメージ画で、ハロウィーンの仮装をした少女ジェニファの気配がいかにも魔女風。そこはかとない雰囲気がただよう、大好きな絵です。
仕事ではよく印刷物を作るとはいえ、自分の本となると、また見方がちがうものだということがよくわかりました。すべて自分たちで決めないといけないということも含めて。どこかにこの本が受け入れられる場所があり、必要としている人がいるにちがいないと思いながら、一冊の本をつくるという作業に打ち込んだ数ヶ月でした。
本をご希望の方がいらっしゃいましたら、直接ご連絡いただくか、あるいは、冨士書房さん、金高堂書店さんでも取り扱いしていただいていますので、よろしくお願いいたします。
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