小笠原まき

 2月27日(日)、あと一週間ほどでもりりん(森田)先生(以下もりりん先生)が結婚をして京都に行ってしまう。(2月19日現在)私が、初めてもりりん先生と出会った時、もりりん先生はまだ高校生で受験をひかえたかわいい17歳だった。いつの間にかあれから10年以上もたってしまった。もりりん先生が受験の不合格に泣いた日も、はじめての個展にがんばった日も、造形教室に就職してきたとまどいの日も、大きな失恋にうちひしがれていた時も私はもりりん先生と一緒にいられた。落ち込んでもまた笑って一緒に子供達の工作や絵の準備をする日々は私にとってとても心休まる時間だったと思う。
 先日、久しぶりに2人でお茶をした。冬が少しおやすみをした日差しの暖かい日だった。ここ半年ほどのもりりん先生の心の動きを聞きながら、私は喜びで胸が一杯になっていた。「人の役に立つことがしたいと思うようになってね〜」といったもりりん先生の瞳はまっすぐでテレながらも心底そう思っていることがわかった。「ここ、2・3年ほど教室の子供達がかわゆーてたまらんがよ〜」と笑いながら話をしていた。私の友人の息子が教室に生徒としてかよっている。まだ5歳の彼が「もりりん先生と別れるのがさみしい」といった訳がはっきりとわかった。私は、もりりん先生は本当にいい恋をして結婚するのだなぁ〜と思った。正直いうと京都に行ってしまうのは寂しくてたまらない。でも、もりりん先生をここまで豊かに成長させ優子という名にぴったりのやさしさを素直に表現させることができた彼に「どうぞ、もりりんをよろしく」というしかなくて、さみしいけど私は今とってもうれしい気持ちにひたらせてもらっている。もりりん今までありがとう。そして結婚おめでとう。

−私たちのなかの子どもへ− (15) 久保理子

アーノルドのはげしい夏 ※造形教室の本棚からお借りしてきました
(著者:J・R・タウンゼンド / 絵:グラハム・ハンフリーズ / 訳:神宮輝夫 / 出版社:岩波書店)

 父と呼んでいる老人と二人暮らしの少年、アーノルド。彼はアイリッシュ海に面したスカールストン村で海岸の砂州案内人をしながら、雑貨屋兼宿屋「パンヤの木亭」を切り盛りしています。静かな生活のなかに、ある日突然の侵入者が現れて、同時に、住む世界の違う友人も現れます。
 アーノルドは、奇妙な、何をするかわからない男の登場によって、人生を根本から揺さぶられました。何とか追いだそうとしても、勝ち目はありません。男はアーノルドの父をも支配し、パンヤの木亭を乗っ取ろうとします。一歩判断を誤れば悲劇を招く魔の海岸のそば近く、アーノルドの暮らしはすっかり精彩を失ってしまい、ついに逃げ出す決意をするのですが・・・
 こんなことがあっていいのか、と思わされるような乗っ取りが、現実になったとき。自分はいったい何者なのか。ここは本当に自分のいるべき場所なのか。アーノルドは答えを探して苦しみます。新しい風を吹き込んでくれる友人の姉弟にも助けられながら、現実にはいつまでも友情を保つことはできないとわかっています。
 侵入者を追い出すことはできるのか、そのことも大きな問題ですが、本当は自分がいったい何者なのかという問いに苦しむアーノルドは、私たちにもその問いを投げかけます。スカールストン村の、風と砂と岩、そして空だけの世界に埋もれてしまってもいいのかもしれない、などと思い始めた私たちに向けて。

小松加世子(090-1176-3884)

 前にノニジュースを紹介しましたが、“笑っていいとも”で罰ゲームの飲み物として使われる程くせが強く、「いいのはわかっていても飲めない……」という方もいるようです。
 そこで、“キッズ・ノニジュース・ウィズ・ヒッポ”を紹介したいと思います。
 これはノニジュースと最近ダイエット効果などで女性週刊誌などでも話題になっているサジーと呼ばれるヒッポジュースを組み合わせたもので、かなり口あたり良く飲みやすくなっています。
 ヒッポジュースにはレモンの約13倍ものビタミンCが含まれています。豊富なビタミン、ミネラルで育ち盛りのお子様の健康づくりや栄養補給はもちろん、ノニジュースが苦手な方にもぜひお勧めしたいです。
 ちなみに息子はこれとEM−Xを飲み始めて、ぜんそくがほとんどおこらなくなったように思います。

ラーラ

 2月6日、朝倉の福祉交流プラザで、地域福祉に関わるひとびとのための公開の集会がありました。それは、医師と坊主と学者による鼎談でした。
 「住民とともにつくる医療」を地域で10年間実践してきた生真面目な印象の医師、葬式見本市やデイケアホスピスを開いているおしゃべり坊主。このふたりは、長野県での地域活動と並行して、1986年のチェルノブイリ原発事故のあと10年以上にわたって救援活動を続けてきたほか、タイのエイズホスピスも支援しているそうです。
 母子家庭に育ち、ひきこもり大学生だったという文化人類学者の上田紀行さんは、母子喧嘩のあと母親がニューヨークに行ってしまい、ひとりぼっちでうつと対峙。しかし、「うつや怒りは生きる原動力になりうる!」といいます。
 いま、ひきこもり、うつ、摂食障害などの病が多いが、その背景には、自らを「透明な存在」と感じてしまうほど、交換可能な、画一化された教育や会社運営が日本中に蔓延するからではないかといいます。他のひとから何か言われないように言われないように動いたり、他人に文句を言われないように自分を殺すことが、大きな病をつくりだしたのではないか、と。
 世界中で金持ちが好き放題して,貧乏人はごみのように捨てられる現状があります。そのことにしっかり目を向けたうえで、ひとりひとりがかけがえのない存在であることを認め合う実践をしようではないか。たがいに人格を殺し合って隣り合うのか、それとも、わがままを言えて寄り添われるのか、はっきりさせておこう! と。福祉の原点を問いかける内容でした。
参考図書:上田紀行『生きる意味』岩波新書

Ken

 先日金沢へ仕事で行ったとき、たまたま半日時間が空いたので、昨年10月にオープンしたばかりの金沢21世紀美術館へ行きました。平日の午前、館内は小中学生の群れと、一般客や外国人の団体などであふれており、各部屋には十分なボランティア要員が配置され、手際よく小学生を誘導したり、作品解説をしていました。可能な限り作品に触れさせ、許可証を与えていくつかの撮影禁止区間以外は自由に写真撮影を楽しませていました。
 美術館とは思えないほどの来館者の多さに疲れ、ロビーの椅子に座って外を見ると小雨の中、黄色のレインコートの小学生の列が、延々とのびていました。金沢市内の全小中学生の無料招待とのことです。
 21世紀美術館のこのような未来志向は、アートとふれあうことでこどもたちに新たな価値観を芽生えさせるちからとなるでしょう。