ツングースカ大爆発
およそ100年前、1908年6月30日の朝、シベリアで明るい火の玉が見られた後にツングースカ河の近くで大爆発が起きました。巨大なキノコ雲が見られ、その爆発音は何百kmも離れた所まで聞こえ、振動はヨーロッパ各地でも観測されました。ヨーロッパはこの後しばらく白夜が続いたそうです。しかし大森林の奥地での出来事で、当時のロシアは日露戦争を経て革命が進んでおり、調査隊が入ったのは1920年代でした。規模は広島型原爆の約1000倍もあり、2000平方kmの木々が倒されていました。小惑星か彗星と考えられていますが、隕石などの証拠が見つかっていないため正確には分かっていません。爆発は森林の数km上空で発生しており、大きなクレーターはできませんでした。20世紀最大の謎ともいわれ、現在まで様々な研究者による調査が行われています。変わった説の中でも有名なのは、他の星からきた宇宙船だったというもの。爆発前に円筒型の物体が見られたとか飛行中にコースを変えたとかいう話もあります。1946年、ロシアのカザンツェフ教授は火星からきた原子力宇宙船による核爆発事故だったとするSF小説を書きました。1976年には、旧ソ連国営のタス通信が「確信をもって」核爆発説の記事を書き、17年間調査したゾロトフ氏らが放射能の異常を見つけたとしました。ただし他の調査では放射能は認められず、木々の異常な成長はありましたが、環境の激変によるとされています。宇宙船説は今なお根強く、今年の8月、ツングースカ宇宙現象基金の調査隊が宇宙船の残骸を発見したと報道されました。ロシアのマスコミは日米に比べるとUFOなどに寛容です。本当に宇宙船のものかは不明ですが、隊長は2つの大きな黒い金属の塊などを発見し、今後も分析や調査を進めるとしています。