火星をめぐる発見

現在、火星ではNASAの無人探査車が活躍中です。一時は交信が途絶えたりしましたが、2台の探査車はソーラーパネルによる太陽発電を元に、1月から活動を続けています。たくさんの画像等のデータは、いったん火星を周回しているNASAの探査衛星に送られて転送されています。直接地球に送ることもできますが、衛星の方がより強力で高速に送信することができるのです。
3月には、昔大量の水があった証拠が確認されました。岩石の分析によって、浅い海もあったことが分かったそうです。火星の平均気温は約-60℃、昼と夜では70℃程も差があります。現在は液体の水は見られませんが、昔の暖かい時期に生物が発生した可能性は高まりました。さらに、大気にはわずかながらメタンが観測されました。地球の大型望遠鏡や欧州の火星探査機等が確認しています。大気はとても薄い上に95%が二酸化炭素です。地球のようなオゾン層がないので強烈な紫外線や放射線が降り注いでいます。メタンは数百年で消えるので、最近も出続けているとされています。メタンの発生源には火山や微生物などが考えられます。現在は火山活動は見つかっていませんが、大昔にできたガスが出ている可能性はあります。微生物でも火星の地表では生きていけませんが、地下ならば望みはありそうです。メタンは一番暖かくなる赤道に多いそうですが、氷が一時的に溶けたことで出ているのか、微生物が活動しているのかは分かっていません。かつて火星から地球にやってきた隕石には微生物の痕跡らしきものが発見されました。たとえ現在は絶滅していても、火星で痕跡だけでも確認できたら大変なことです。地球の隣に生命がいたとなると、私達の意識を大きく変えることでしょう。NASAでは初め4月までだった探査期間を9月まで延長するとしています。