−私たちのなかの子どもへ− (4)

「ねずみ女房」
(著者:ルーマー・ゴッデン / 絵:W・P・デュボア / 訳:石井桃子 / 福音館書店)

 同じ種族の仲間や家族がそばにいるのに、どこか根本的に彼らと自分はちがっている、と自覚するなら、その人はどこか生きにくいことでしょう。主人公であるねずみの奥さんも、そういう人(ねずみ)です。美しいものごとや、自由を愛し、自分にしかできないことを探したいという思い。どこから見ても平凡なねずみの奥さんであり母親でありながら、内側に誰とも分けあえない秘密
の思いを抱えています。
 それは、いいかえれば、『夢』のようなもの。ねずみの奥さんは、人間にとらえられた鳩を家から逃がしてやります。鳩は外の世界に死ぬほど焦れ、ねずみにもその思いが理解できたのです。地を這うねずみに飛ぶ喜びなどわかるまい、と鳩は思いますが、ねずみの奥さんの『魂』は、鳩にすらとどかない高みをはばたくことができました。
 見たところでわからない世界のことも、かすかに想像することができたのです。それでも、どんなに深く熱い思いがあっても、ねずみはねずみ。毎日を暮らすことに精一杯になりながら、永遠を思う時間をもてたところで、ねずみはねずみの社会でしか生きられない。そういう感受性をもって生きることは、著者のゴッデンにとっても、幸せでありながら厄介な面があったことでしょう。自分のまわりに与えられたものの大切さと、魂の永遠性がとけあった本書は、生きる意味を問いかける哲学書でもあります。

久保理子



ある日、ふらりと雰囲気のある男性が店に来てくれた。聞くと、10年間オーストリアに留学して、バイオリンと作曲を学んだTさんだという。
気さくな人で、閉店まで外国のことや高知のことを話してくれた。インドのアンティークのショーケースを背に話すTさんを見ていると、外国の片田舎を想像できて嬉しかった。
世界的に活躍している人の演奏が須崎であることを話してくれた。音楽にまるで興味がない私だし、ましてや運転が出来ない私は、須崎まで行く気にはなれなかった。
が、外国人と日本人の時間の使い方、楽しみ方の違いを聞いて、「これもお店がくれたご縁だから、汽車に乗って行くことを楽しんでみよう」と思った。
演奏が始まったら眠ると思っていたが、心の琴線に触れる音にうっとりしてしまった。後でバイオリン・チェロは四百年前の銘器で音に違いが出ることを知って、行ってほんとうに幸せだったと思えた。
今度は、私の家で四月二十五日にランプを灯して、コンサートを計画しています。長野県の方でバイオリンとギター、歌です。何ともここちよく、のびやかな歌声です。来て良かったと言ってもらえるように、私はお掃除を頑張ります。

和田佐知子/うれし屋 tel:845-5601地図



 合成洗剤の成分には「合成界面活性剤」「蛍光増白剤」「ゼオライト(アルミ)珪酸塩」「エデト酸塩(金属封鎖剤)」などの化学物質がたっぷり入っています。
 その中でも「アルミ」はアルツハイマー病との因果関係が問われ、「蛍光増白剤」は発ガン性が問題になっている物質で、食品衛生法や薬事法でも禁止されているものです。
 そのような合成洗剤で洗濯したり、体を洗うなんて考えただけでも恐ろしい事です。また、その合成洗剤を排水口に流すと、有機物を分解する糸ミミズが一日で死んでしまうそうです。ミジンコやメダカもです。そして、毎日流し続けるものだけに合成洗剤は農薬以上に害が大きいと言えそうです。
 「今までの生き方を考えなおし、糸ミミズが戻るような生活を大切にしなければならない」と考えるシャボン玉石けん株式会社から、従来の健康な体ときれいな水を守る無添加石けんに、自然を蘇生する力を持つEMを融合し、「自然を守る生活」から「自然を蘇生する生活」へ変えるEM石けんが作りだされました。汚れ落ちが良く、安心安全で尚かつ自然を取り戻すEM石けんをぜひ一度ためされてはいかがでしょう。

小松加世子(090-1176-3884)

 食品と暮らしの安全基金の事務局長 小若順一氏の「食べ物から広がる耐性菌」という講演が、2月28日、ソーレでありました。
 免疫力の低くなった人は、抗生物質の効かない病原菌に感染して亡くなることがあります。この菌を「耐性菌」と呼び、健康な人の鼻孔などにいる病原性をもたない細菌が、大量の抗生物質を使う病院内で抵抗力をつけて進化したと考えられていました。ところが最近、中耳炎、とびひ、化膿した傷が治りにくい子どもが増えており、しらべると6割がこの耐性菌によるものだったそうです。病院だけではなく、そこらじゅうに耐性菌が広がっているのです。
 その背景に、ヒト用の2倍以上の抗生物質が肉、卵、魚、農産物など食ベ物の生産に使われていることがわかりました。もともと家畜に抗生物質を使う最大の目的は早く太らせるためだったそうですが、いまは過密で不潔な飼育環境も見逃せません。たとえば、鶏インフルエンザ騒動でTVに映ったブロイラー方式鶏舎は、たたみ一枚に30〜50羽と成長すると身動きできず、次のヒヨコに交替するまで鶏糞も放置されます。そんな肉や卵を食べると、間接的に抗生物質や耐性菌まで食べていることになります。
 世界中で耐性菌の多い国は、日本、韓国、アメリカ、フランスなど。少ない国は、ドイツ、アイスランド、北欧など。抗生物質をむやみに使うことを止めれば、耐性菌は減らせるそうです。肉、卵、魚、農産物は、抗生物質や農薬のいらない安全な環境で育ったものを、信頼できる生協や共同購入で手に入れましょう。風邪の原因のほとんどはウィルスだから、細菌にしか効かない抗生物質はのまないでくださいね。耐性菌から身をまもる方法は、ヨーグルト、生みそ、生醤油、納豆など発酵食品を食べて、腸内を善玉菌でいっぱいにすることです。そして、手洗い、うがい、爪切りです。(参考書籍 :「食べ物から広がる耐性菌」三五館、2003)

ラーラ