秋・冬の祝日

 秋といえば、日本では運動会や文化祭の頃ですね。こちらでは10月末にハロウィーンの祝日があり、子供達は思い思いに仮装して大通りのパレードに参加し、店を一軒一軒まわってお菓子を大量に集めました。2才の次男は今回、もの心ついて初めてのハロウィーンで、お菓子をもらって店を出てくるたび「ガハハハハー」と大笑いしていました。ちなみに長男はスパイダーマン、長女はシンデレラ、次男はバットマン。バットマンの耳のとがったところはダンボールで手作り、マントは私のエプロン...と用意する親の方は大変です。子供は呑気に、「来年はスーパーマン」などとおっしゃっておりますが...。
 11月末にはサンクスギビング(感謝祭)がありました。ヨーロッパからアメリカに渡ってきた人々が、生きながらえたことを祝って、インディアンも招いて3日3晩の宴を開いたことから始まったのだそうです。学校では子供達の劇がありました。インディアン役と白人役に別れて歴史の勉強というわけです。感謝祭ではほとんどの人々が実家に帰って、七面鳥を焼いたもの、鳥のおなかに入れたつめもの(パンやくるみやソーセージなど、家によって違います)、ポテトやパイなどのごちそうを食べるのです。この日は一年で最もひどい交通渋滞となります。アメリカ国民大移動の日で、私の住む街はひとけも車もなくガラーンとなります。ニューヨーク近辺の人々は皆、地方から来ているからです。
 12月にはクリスマス。感謝祭ほどではないですが、実家に帰る人が多いようです。街のあちこちではクリスマスツリー市場が開かれます。窓やドア、フェンスを電気で飾る人々もいます。郊外へ行けば、どの家も色とりどりの電気で外まわりを飾りたて、電気で光るトナカイや雪だるまを庭に置いたりするので、夜はとても美しいです。うちでは、12月に入るとすぐに、ツリー市にクリスマスツリーを買いに行き、そりに載せて雪の上を引いて持って帰りました。2m50cmぐらいの高さですが、大きい方ではありませんでした。クリスマスイブの夜には、子供達がそれぞれのくつ下(クリスマス用の大きなもの)をつるし、サンタクロースのためにクッキーとミルクを用意します。クリスマスの朝にはサンタクロースからのプレゼントや、家族それぞれからそれぞれへのプレゼント、親戚中からのプレゼントで、クリスマスツリーの下にはプレゼントの山ができています。クリスマスの朝は子供達にとって、大変幸福なひとときとなります。クリスマスの夜には牛肉やハムのかたまりをオーブンで焼いたものや、七面鳥のごちそうを食べます。熱心なキリスト教徒は教会へ行きます。
 ユダヤ教徒はクリスマスをお祝いせず、ハヌカという違う日にお祝いをするし、黒人の人たちは新しくクワンザという独自のお祝いをするようになったので、以前のように「メリークリスマス!!」と言い合うより、「ハッピーホリディー(幸せな祝日を)!!」と言うようです。盛大なこのホリディーに比べて、正月は大変さびしく、普通の日曜日と何ら変わりはありません。パーティーを開く人たちもいることはいますが、一般的に特別なごちそうも、テレビ番組もなく、年賀状もありません。2003年は1月2日から仕事も学校も始まったのですよ。正月になると日本へ帰りたくなる日本人は私だけじゃないと確信しています。

美和 クランマー

−私たちのなかの子どもへ− (2)

久保さんは毎週金曜日に、入江久理のペンネームで高知新聞紙上にて連載中です。「子ども時間の本たち」というタイトルで、いろいろな児童書の紹介をされています。大人になった人にとって子どもの時間をもう一度生き直すことがテーマです。ぜひご注目ください。(都築)

「くつなおしの店」
(著者:アリソン・アトリー / 絵:こみねゆら / 訳:松野正子 / 出版社:福音館書店)

 「時の旅人」や「グレイ・ラビット」シリーズのアリソン・アトリーと日本人の画家による短編絵本。イギリスの田舎の歴史あるストリートを舞台に、くつの修理をする貧しいおじいさんと孫たちに、姿の見えない妖精族が、魔法のプレゼントをもたらすお話。
 私は昔から、手仕事でこつこつ財をなしてゆく靴屋の小人さんのお話に弱くて、しかも細部まで繊細なアトリーの文章となれば、わくわくしてしまいます。妖精小人たちの作る靴の様子が、幼い頃はえらくリアルに想像できたものでした。努力とか勤勉とかいう言葉は自分の体質と異質な気がしてこれも昔から苦手ですが、あと一歩のところまできてやめてしまう弱さを克服したいという思いは、この歳になってもなお、私をおびやかしています。
 小人の靴屋譚には、そんな頼りない自分を励ましてくれるハチミツのような甘さがあるのかもしれません。しかし、私は助けられる側になりたいのか、助ける側になりたいのか。それも私にとっての悩みどころです。ひたすら正直に生きて、奇跡の訪れに歓喜するか、ひとつ売れたらまた作る方式で、コストをかけず、誰かに夢を与えるか。ともかくも、今は不完全な一人二役ですね。

久保理子



とびっきり嬉しいことがあった。それはお隣のNちゃんが高校入試で面接が受けられたことだ。
Nちゃんとは二年前の開店と同時ぐらいに知り合った。というよりNちゃんの態度が気になった私が、お友達になりたいとアピールした。
Nちゃんの悩みは私の想像をはるかに越えていた。最初の頃はNちゃんが店にいる間は、お客さんが来ないことを祈った。だんだん店にも慣れてくれて、レジを上手に打てる様になり、お客さんから「学校に行くよりずっといい所に来てるね」と励ましてくれるけど一向に良くならなくて心配した。店に来て、泣く、物に当る、など不安を訴え続けた。限界を感じて私の方が逃げ出したい思いにかられたこともあった。でもお店がくれたご縁なので転勤族のNちゃんといい別れがしたいと思い直した。
それが二ヶ月前、お母さんと東京に行って帰って来た時から表情が変わった。重い荷物を軽くしていくのが伝わって来た。短期間に急成長出来た理由はお母さんの力だ。大きな一歩を踏み出したNちゃんを見守っていきたい。

和田佐知子/うれし屋 tel:845-5601地図



 EM活用技術の進歩により生まれたEMXセラミックスは用途に応じて、多種多様に取り揃えられています。
 たとえば『シックハウス症候群』にも効果を発揮します。塗料、接着剤、コンクリートなどにEMXセラミックスパウダーを混入すると、悪臭の元になる化学物質をセラミックスが吸着除去する為悪臭がなくなり、また乾きを早め、劣化を遅らせることができます。
 「室内用」につくられたセラミックスはホルムアルデヒドを除去する他、調湿、悪臭除去などに効果があり、「床下用」につくられたものは、調湿、防カビ、防虫、殺菌、ホルムアルデヒド除去などに有効です。
 また、水道水には、塩素や苛性ソーダなどの有害物質や発ガン性物質のトリハロメタンや遺伝子に突然変異をもたらす物質が含まれていることをご存じですか? そのような身近な水道水から有害物質を除去し、健康によく、おいしい水を蘇らせてくれる「水の浄化用」のセラミックスもあり、ちょっとした工夫でおいしく健康的な食事環境が実現できると思います。

小松加世子(090-1176-3884)

 この年末年始、ぎょっとすることがいくつかありました。どれも合成洗剤のテレビCMがらみです。
 白米を台所用洗剤で洗うひとがあると噂では聞いていましたが、そんなひとがテレビ出演して堂々と「でも、私だけじゃないわよ」と言い、そのごはんを食べたひとは「まずいごはん」と言っていました。
 毎日シャンプーをする親子3人がいて、母親は「ええっ、毎日洗わないとかゆくなりませんか。テレビでもそう言ってる…」と言い、あきれた親戚のひとは「汗もかかないこの季節に毎晩洗うなんて、洗い過ぎで乾燥するか、シャンプーが残ってるからかゆくなるんじゃないの。風邪ひかないでよね」と言いました。
 赤ちゃんをテーマにしたある番組のスポンサーが「赤ちゃんの肌はデリケート。だから、保湿成分たっぷりの赤ちゃん専用クリームを塗って冬の乾燥した空気から守ってあげましょう」というCMを流しました。見ていた私は、「あああ、たいへん。またこれで何千人もの若いおかあさんたちが騙されて、赤ちゃんに毒をあげてしまう…」とやりきれない気持ちになりました。
 市場原理主義は末期症状を呈しはじめ、儲けのためなら何でもありの世の中になったと感じます。以前にも書いたけれど、合成洗剤も農薬も、分子量が小さくて細胞の中にまでもぐりこんで遺伝子を傷つけてしまう化学物質を含むので、人体にも地球にも毒物なのですよ。テレビCMの暗示どおりに行動してしまう、騙されやすい消費者にはならないでくださいね。

ラーラ