幻の怪獣ネッシー
世界で最も有名なネス湖のネッシー。一番古い記録では、565年にキリスト教のある伝道者が怪物を大人しくさせたそうです。後の時代にも断続的に現れていたようですが、1933年に目撃が相次ぎ、新聞が報道した結果、世界中に知られるようになりました。多数の写真と映画フィルム、ソナーなどでも捉えられ、専門家が未知の巨大生物と判定した例もいくつかあります。
知られている動物で考えられる正体は、チョウザメ、カワイルカ、カイギュウ、アザラシ、大ウナギ等々。しかし、外見と大きさで最も似ているのは、ジュラ紀の海にいた首長竜です。7月、ネス湖で初めて首長竜の背骨が発見されましたが、約1億5000万年前の化石で、科学者は誰かが他所から湖に持ちこんだと見ています。最新の化石でも約6500万年前なので、首長竜説では進化して生き延びた新種だと考えています。ネス湖は約1万年前の氷河期末に、海から切り離されてできました。現在は人間が作った運河で海につながっていますが、密かに通行するのは無理です。ハ虫類には寒過ぎますが、意外に冬でも凍りません。エサとなる魚はいますが、何頭もの大型動物には足りないようです。淡水湖なのですが、淡水で暮らしていた首長竜の化石は中国で見つかっています。ハ虫類でなくとも、酸素を吸うため日に何度か水面に出る必要があり、もっと目撃があるはずともされます。湖水は泥混じりで濁っています。ネッシーの死体や骨、卵などの一部すら見つからないのは、湖底の泥に沈むからとする考えもあります。ところが7月末、イギリスのBBC放送はネッシーの存在を否定しました。600個のソナーを使った詳しい調査でも、大型動物の反応がなかったそうです。ネッシーは最初からいなかったのか?あるいは絶滅してしまったのでしょうか?