5月の第3週目に、画用紙を折り畳んだ本を作りました。この本の作り方は、中心に切り込みを入れるだけの簡単なもので、工作の本などにもよく載っています。画用紙に好きな色をぬり、折り畳んだら本の内容を考えます。 一枚の絵の中には現実とはまた違う世界があらわれてきますが、これが「本」となると、その世界にさらに物語性が強くなります。子どもたちは、本の中の世界が大好きです。 この課題で、自分や家族、身近な人、大好きなものを本にした子がたくさんいました。自分の大切な物が違う世界に入り込むというのはとてもときめくことでしょう。 Hちゃんの本では、自分を主人公に、電車に乗ったりして色々なところへ行きました。よく喋るHちゃんですが、これを描いている間はずいぶん静かで、その世界へ意識が入り込んでいるようでした。 Yちゃんは、お父さんを「タコ」のキャラクターにして「タコお父さんの休日」という本に仕立てました。タコお父さんが、銀行に行ったりバイクのお店でイカの店員さんとお喋りしたり、家でサラダを作ってくれたり都市伝説の本を読みながら眠ってしまったり、微笑ましい日常が描かれています。 自分が愛情を持っているものを描くと、見る人にもそれが伝わります。それをたくさん見せてもらって、私も嬉しい気持ちになった課題でした。 おまけ Tくん作「いいね しこく」 四国の本なのに突然静岡が出てきて、最後は札幌に行きました…。個人的にはシュールで大好きです。
皆さーんご存知でしたか? 5月3日〜7日に黒潮町の砂浜美術館でTシャツアート展が開催されていましたね。造形教室から出してくれた皆さんの作品を確認しに私も行ってきました。 実はこの会期中に、愛媛県伊予市双海(ふたみ)町にある「ふたみシーサイド公園」という場所で「第1回ふたみTフェス(Tシャツアートフェスティバル)」も開催されていたのです!!! このイベントは「沈む夕日が立ち止まる町」というキャッチコピーで有名な同町が町おこしの一環として始めたようです。しかしA4版のチラシを見てみると、砂浜美術館のTシャツアート展を意識しているとしか言いようがありません。私はこのことをNHKニュースで知りましたが、NHKの記者は取材する段階で「二番煎じ」だと気づかなかったのでしょうか? 日陰等の涼しい休憩場所を作る。作品番号をもっと分かりやすく表示する。飲食・雑貨などの出店を増やす。全国に向けて広報を強化して出品者を増やす。ボランティアの確保etc. 私も力を貸したいと思います。しっかりしよう高知の「本家」!!!
私もひそかにTシャツアー ト展に出品。生徒に見つ かってしまいました。
先日、造形教室のスタッフで香川県丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館へ「あそびのつくりかた」という企画展を見に行ってきました。 最初の作品は、毛むくじゃらの生き物がイスになっていて、座ったりクシで毛づくろいできました。上の階にはその巨大な物がいて、大きなクシで体に模様や字が描けるようになっていました。また、着ることができるおかしなコスチュームがあり、子どもたちが小さなモンスターのようになって可愛らしかったです。 次に布団を重ねた小山のような作品があって、子どもたちが登ったり滑ったりして遊び回っていました。たまたま教室の生徒さんも一家で来ていたので盛り上がりました。監視の人がいて、私もカメラのフラッシュをOFFにせずに撮影していたので注意されました…。さらに奥はお絵描きコーナーのようになっていました。 隣の部屋では暗い中を光るヒモのような物がぶら下がって動いていたり、天井の上の方がピカピカ光ったり、よく分からない装置が動いていたりと何だかふしぎな空間になっていました。 その奥の部屋はまっ暗で、小さな列車が線路をゆっくりと進んでいました。列車には強力なライトがあり、床に置かれたいろんな物が照らされて壁に影が現れます。列車が進むにつれて影の大きさや形が変わるので、見ている方も列車と一緒に動いているような臨場感があります。これが一番印象的な作品でした。 行く前は子ども向けの展示なのかなと想像していましたが、大人も子どもと一緒に遊びを楽しめる内容だったと思います。
香美市立美術館では、第2回目となる「香美アートアニュアル」展が7月21日(月・祝)まで開催中です。この展覧会は高知にゆかりのある若手作家の方々を広く紹介する内容の展示です。今回は特にイラストレーターとしてお仕事をされている方々を9名選んでいます。皆さん、それぞれに強い個性を持っていて、独特の表現をしています。 ひと口にイラストレーションといっても、多くの表現があって、全く異なる絵が描かれていてとてもおもしろいです。例えば、墨で力強く描かれたスポーツ選手の絵や、とてもかわいい動物の絵や、キモかわいいフィギュアの妖怪など。幅広い表現を楽しんでいただけると思います。イラストレーターの方々は、それぞれ独自の表現を持ち、強い個性を生かして仕事をしています。どんな仕事をしているかよく分かるように展示しています。ちょっと見ると簡単に描かれているように見え、こんな絵だったら私にも描けると思えるような絵もきっとあります。しかし、自分の個性を様々な仕事に生かしているところが大切です。この展覧会は多くの若い人、小学生、中学生、高校生の方などに見てもらいたいと思っています。そして、絵を描くことが好きな子どもたちが、将来こんなことを自分の仕事にできたらいいなあと思ってくれたら、とても嬉しいです。 季節は夏に向けてだんだん暑さが増す上に、雨も多くなってきて、外出することがおっくうになりがちですが、ぜひ美術館へ足をお運びいただきたいと思います。きっと皆さんのお気に入りの絵が見つかることでしょう。