はりまや橋 国吉晶子

 先日、ある美術大学の先生から「ハサミが使いこなせない大学生」の話を聞きました。カッターナイフならともかく…。小・中・高校と、日常生活であまりハサミを使う機会を得ないまま、進学してしまったようです(しかも美大!)。
 これはゆゆしき事態だと…造形教室に戻って、子どもたちにハサミの使い方をしっかり指導しました。子どもにとってハサミは、危険な物であるのと同時に、布から段ボールまでさまざまな素材のものの形を自由に変えることのできる夢の万能道具なのです。
 2月第4週目の課題は「はりまや橋」。これはハサミでの作業が中心になりました。ティッシュペーパーの空き箱に1本ずつ切り込みを入れていく作業は、集中力とともにがまん強さも問われます。途中で嫌になってしまう子が多かった中で、写真の2人はほぼパーフェクトに完成させてくれました!
 ただ「言われたから切る」のではなく、ここを切ると次どうなるか想像して進めているようでした。
 ハサミは人に向けたり、大切なものを切ってはいけませんが、(お母さんに確認した上で!)いらない紙や箱を切る練習をしてみてください。きっとすぐ上手になります。
 あなたも造形のハサミキング、ハサミクイーンを目指してみませんか??
☆はりまや橋にふなっしーが登場!?
 はりまやばっしー!
 先日、初めて高知県に来ていましたね!
☆実際のはりまや橋の写真を見ながら、
 忠実にらんかんを再現!
 Mちゃんは3号連続工作名人に登場!

都築房子

 香美市は美術館のある土佐山田町からずっと山の方に向かって、アンパンマンミュージアムがある香北町を経て、物部町まで続く細長い形の市です。物部町の奥物部湖を渡る大栃橋の東側には、ふるさと物産館があります。1階に物産市とレストランがあり、その2階が奥物部美術館になっています。
 その美術館では2月25日(火)から3月23日(日)まで、井上聡子さんの個展「絵の中のおはなし」が開催されています。井上さんは受験生の時に造形教室へ通ってくれました。岡山大学で美術を学んで、現在はイラストや絵本を描いています。井上さんの絵は、どこかノスタルジーを感じさせる味のある絵で、絵本のお話もホロッとさせられる内容のものが多いように思います。私たちが忙しい日々の中で忘れがちなやわらかな気持ちに気付かせてくれるような作品です。新作も含め、過去10年ほどに描かれた作品が数多く展示されています。
 奥物部美術館までは、高知市から車で50分くらいかかりますが、山々の緑にいやされるドライブとなるでしょう。土佐山田からは一本道でほとんど信号もありません。奥物部湖は桜の見所が点在していて、中でも美術館から北の方は散歩に向いています。少し遠出をすることでずいぶん気分転換が出来ます。ぜひお休みの日などに、井上聡子展を見にお出でいただきたいと思います。