ゆたかな絵 国吉晶子

 ゆたかな絵というのは、どんな絵でしょうか?
 言葉で説明するのは難しいのですが、私の見方では・・・描き手が、描こうとするものに対して「おもしろい」とか「興味深々」な様子が見ているこちらまで伝わってくるような絵です。
 見ただけで「豊だなあ」と感心してしまった絵2点をご紹介します。

 これは、クレパスの特長もあるかもしれません。クレパスは手で直接にぎって、ぐいぐいと描くため、線や面に厚みがうまれてダイナミックな印象を与えることができます。
 みなさんも経験済みだと思いますが、クレパスを使って絵を描いていると、当然手が汚れてきます。でもそんなことも忘れて、ぐいぐい塗っている時間は、子どもにとって貴重な時間であり、大人である私にとっても非常に快感です。
 クレパスのにおいがイヤという子どももいるかもしれません。
でも、こういうにおいを知っていることは、決して損にはならないと思いますよ。
 クレパスは色と色を混ぜたり、一度塗ったところを削ったりすることもできます。
 いっそもう手は汚れてしまったわけだから、クレパスのかすを集めてつぶしてみましょう。そして丸めて、画用紙の上でのばしてみたら、おもしろい形ができるかもしれません。

都築房子

 香美市立美術館では、今月の10日から絵金こと絵師・金蔵と同時代の絵師の作品を紹介する「絵金とその時代展」を開催します。
 絵金の生誕200年を記念して、同時期に高知県立美術館の方でも「大絵金展」が開催されているので、どうしても比べられると思いますが、当館では独自の視点から絵金展を構成しています。
 まず、私自身もこれまで絵金の絵はどこかで見ていましたが、どうもその内容についてはよく分からなかったという印象があります。絵に描かれているお話自体が分かりにくく、登場人物もどれが誰だか分からない状態で、何となく雰囲気だけを楽しんでいたような気がします。
 そこで当館では、できるだけやさしい解説を付けて、より深く味わっていただけるような工夫をしました。
 また、有名な屏風絵だけでなく、もっと気楽に描かれた風俗画やスケッチブックのようなものを拡大コピーして展示します。絵金が生きていた幕末の土佐のふつうの人々の暮らしぶりを見ていただきたいです。これまでのおどろおどろしい絵金のイメージが変わればいいなあと思っています。