井関さおり

 9月22日、高知県芸術祭開幕プレイベントとして、新京橋商店街でアートワークショップを行いました。型紙を切り抜き、その穴にスポンジで絵の具をつけていく「ステンシル」の技法を使って、子どもたちと「旗」をたくさん作り、県産品のショップ「てんこす」に飾るというものです。
 当日は高知県文化財団の職員さんたちと、デザインカレッジの生徒さんたちがいろいろと手助けをしてくださいました。生徒さんは7人もお手伝いに来てくれて、やはり普段からもの作りに慣れているのか型紙作りが上手く、さすがだと思いました。型紙は基本的に子ども自身が作りますが、「ドラえもん」や「アンパンマン」など難しいものは学生さんたちにお願いして、ハイクオリティなものを作ってもらいました。
 造形教室の子供たちも来てくれて、手慣れた様子で制作してくれたので、とても助かりました。ありがとうございました。皆さん様々にかわいらしい旗ができあがりましたが、Kくんの旗はあまりにロマンチックで我々びっくりしました。たいてい皆、型が旗の中にランダムに並んだデザインでしたが、Kくんはきちんと場面を作っていて、「星の出た月夜の森に、大きなハートマークの付いたラブラブの犬と猫がいる」ものでした。男の子でハートマークを作る子はほとんどいませんし、まさかそんな様子を想像しているとも思わなかったので、大変おもしろかったです。
 旗は約一週間、飾られていたので、街で目にした方もおられるかと思います。芸術祭関連行事は11月末まで様々な所で開催されていますので、皆様ぜひいろいろとお出かけください。
都築房子

 今回の自動車旅行は、香美市立美術館の仕事関連ということもあって、完全に自由な旅ではなかったのですが、私にとって島根は初めての土地でとても新鮮でした。高知から高速道路を通って4時間あまりで日本海側に行けることがまず驚きでしたが、出雲、松江と美術館や博物館を次々と回るなかで個性的な建築物と出会うことが出来てとてもおもしろい旅でした。
 まず最初に行ったのは、砂の博物館「仁摩サンドミュージアム」です。その形はとんでもなくユニークで、ガラスのピラミッドがいくつか重なったような奇抜な建物で、地元出身の有名な建築家の設計だということでした。ピラミッドの中には、砂が落ちるのに1年もかかるという世界最大の砂時計がありました。建物の周りはのんびりした田舎の風景なので、とても印象的に見えました。
 次に有名な「出雲大社」に行きました。ここには巨大な日本建築の社がいくつもあって、その壮大な造りにびっくりしました。これまで雑誌などで見たことはありましたが、実際にその前に立つと、あまり宗教心のない私でも、ありがたく手を合わせてお祈りをしてしまう程の神々しさを感じました。ここでは全国から大勢の観光客が来ていて、大いに賑わっていました。
 この日の最後に行ったのは「島根県立美術館」でした。ここはあまり高くない建物がゆっくりと広がっている感じのよい美術館で、宍道湖に沈む夕日がロビーから眺められることで有名です。ロビーのすぐ外の庭に野外彫刻が何点かあり、そのすぐ先が湖の水際でした。ちょうど私が行った時は、台風の余波で強風が吹いていて髪の毛が逆立つほどで、水しぶきがかかりそうになりました。
 このように次々おもしろい建物を巡る旅をした島根は、総じて質素で堅実なとてもよい印象の町でした。慌ただしい旅でしたが、充実したよい時間を持つことが出来て満足です。

 横から観察してみよう! 国吉晶子

 9月第4週目の「こびとさん」「こびとの世界」では、たくさんのユニークなこびとたちが登場しました。お手本は、森のどうくつでしたが、台所、学校、のび太の部屋など、場面もいろいろ。
 そして、こびとさんは紙粘土に絵の具を混ぜて作りました。しかし…でき上がったこびとさんは、手や足はあるのですが、ぺっちゃんこのものが多かったです。
 大人が作った場合でも、ついつい思い込みによって、平たくなりがちです。この点にちょっと気をつけるだけで、仕上がりがぐっ!とよくなります。ですから、でき上がったものを、もう一度、横からも観察してください。
 小学校の図工でも、紙粘土の授業は必ずありますので、造形のみんなの大活躍を期待しています!