トランスフォーム 井関さおり

 6月の工作「トランスフォーム」は、造形教室の上級生向け新ネタでした。
 この工作ができるきっかけをくれたのは、長年通ってくれているIくんです。Iくんが以前、「こんなのを作りたいなあ」といって、気に入っているおもちゃを持ってきてくれました。それはプラスチックでできた円柱形のものが、パタパタと開いてプテラノドンのような形に変身するものでした。
「こりゃ難しいわ!」と思ったものの、「変身する」というポイントを押さえればなんとかネタになるかもしれないとも思い、とりあえず「トランスフォーム」という名前だけ決めて工作の計画に入れました。
 まず「円柱形」から始めるのは子どもの工作では難しい・・・(曲面を作るのが大変)。なので変身前の形は「立方体」に決定。立方体の中に、トランスフォームしていくパーツを考えてうまく納めましょう、というのが狙いの工作となりました。
 立方体は6枚の正方形をつなげた展開図から作っていきます。
そこに別の折り畳めるパーツなどをつなげていくのですが、みんなこの3次元の展開を考えるのがなかなか上手く、感心しました。特に男の子たちは、他の工作のときもそうですが「しかけ」そのものに熱心ですね。千枚通しで穴をあけたり、針金を通したり曲げたり、手先の力を使うちょっとしんどい作業も多かったですが、みんな積極的にがんばっていて良い感じでした。
 下の写真はIくんの力作(翼竜)と、折りたたみ部が長く伸びるYちゃんの「50階建てビル」の風景です。このビルの5階には造形教室を入れてくれました。(笑)

「トランスフォーム」は男女問わずみんな楽しんでくれて、なおかつ頭も使う充実した工作となりました。
 Iくんのおかげです。ありがとう!
 今後とも皆さんにいろいろな工作リクエストをいただきたいなあと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。

都築房子

 香美市立美術館では、8月4日(土)より「アニマルズ2012 三沢厚彦展」を開催いたします。三沢さんは今、最も注目されている彫刻家で、楠の木の丸太から削り出しで木彫りの大きな動物を作っていることで知られており、今回が四国で初めての個展となります。
 その動物たちは小さなキャラクターのようなかわいいものではなく、実物大で野性的な迫力にあふれながらユーモラスな印象も持ち合わせています。この夏休みに、見ごたえのある本物の彫刻を見る体験を、ぜひ子どもと一緒に楽しんでいただきたいと思います。