香美市立美術館の館長となって、はや一ヶ月が過ぎました。私は新米の館長ですが、新年度が始まり、最初の展覧会も始まりました。造形教室にもポスターを貼っていますが、現在「西村洋一 水彩画展」を開催しています(5月20日まで)。
この展覧会は37年前に交通事故で頸椎損傷となり、不自由な車いす生活を強いられることになった西村さんが、それでも生きている証しとして描き始めた水彩画作品の展示です。
とても美しい自然を描いた写真のように上手な風景画ですが、そこには西村さんの一生懸命な気持ちがにじみ出ていて、心を打たれます。見に来られた多くの人々がそのことを感じておられ、アンケートの感想として「心が洗われるようだ」とか「心が癒された」とか「とても気持ちのよい絵だ」などと書かれています。今回、初めて香美市立美術館に来られた方がたくさんおられて、とても嬉しく思っています。美術館の展覧会としては割合地味な方だと思いますが、しみじみとした味わいがあり、見た人の心にじわじわとしみ通っていくような魅力があります。子どもも大人も静かにゆっくりと楽しめる展覧会だと思っています。
ぜひ、新緑の美しいこの季節に土佐山田まで足を伸ばして香美市立美術館にお越しくださいますようお願いいたします。 |