トマトの絵 国吉晶子

 先月から今月にかけて、希望者が藁工ミュージアムの「トマトアートフェスタ」や黒潮町にある砂浜美術館の「Tシャツアート展」に出品しています。
 思わず「いいね?!」と思ってしまう作品が数々あり、「井関賞」や「国吉賞」をあげたくなります。これらのコンクールの結果は、いわば「宝くじ」のようなもの。入賞すれば、もちろん「すごい!!」のですが、賞に入らなかったからといって、決して落ち込まないでください。たとえば、トマトを実物そっくりに描くことも大切なのですが、「トマトに顔があったらどうなるだろう?」「トマトがチョコの味だったらいいのに」「もしもトマトが武士だったら…」など、子どもらしい発想で表現できているかという点も重要です。それらは絵からにじみ出て、自然と見る側に伝わるものなのです。
 まずは毎回の課題に、一生懸命取り組んでみましょう。工作で手先を器用にすることで、自然と絵にも奥行きができ、観察眼が身に付きます。また自分の感情を物や紙の上に置き換えることで、創作する喜びに触れていってほしいと考えています。
 「描く力」と「表現する力」両方を伸ばしていきましょう。きっといつか何かのコンクールで、絵の神様が見てくれているはずです。

トマトが切られる瞬間のスリルが伝わってくるユニークな作品です。国吉賞!

都築房子

 この4月より、香美市立美術館(土佐山田)の館長に就任することになりました。既にご存知の方もおられると思いますが、現在は引き継ぎのための研修中のような状態に入っています。
 これは私にとって、思いもよらないことで、しっかりその職を全うできるか不安はいっぱいですが、これまでの経験が少しでも世の中の役に立てればと考えて、全力で取り組んでいこうと思っています。
 一月のうち半分くらいは美術館の方へ行きますので、教室の方にはいろいろと迷惑をかけてしまうと思いますが、スタッフとやりくりをして何とか両立させていきたいと考えています。また、香美市立美術館も皆さんにより一層楽しんで見ていただけるような美術館にしていきたいと思っています。これからこの造形通信にも美術館での様々な催しについてお知らせしていくつもりです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。