造形教室では、毎月第三週目はいつも絵画に取り組んでいます。「よく見て描く」ことや、「いつもと違った方法の描き方」を学んだり、「色の幅広い使い方」を意識したり、毎回いろいろと意図するものがあります。
11月の上級生の課題は「仏像を描こう」。今までなかった珍しい課題です。都築先生から「今月は仏像を描きます!」と聞いたとき「へっ?!仏像ですか?!」と私は思わず聞き返してしまいました。
雑誌などから仏像の資料を探すと、如来・菩薩・明王・天部・羅漢などなど、ひとくちに仏像といえども多彩な姿がありました。資料を見ながら子どもたちが気に入った像を一体選ぶのですが、鎧の姿がかっこいい天部の人気がやや高かったようです。穏やかなお顔の如来を選ぶ子も割と多くて、まだ少し小さい子ががんばって描いた仏様のお顔はとてもかわいらしくてなごみました。
拝む対象として仏様を見ていましたが、こうして「描く」ことを通して見ていると装飾やポーズなどに改めて発見があります。特に装飾品には、今のアニメやマンガの中で使われている小物やスタイルも見えて、子どもたちにも受け止めやすかったのではないかと思います。
資料を読みつつ多少仏像知識が自分にも入ってきましたが、「これなんて読むがー?(仏には難しい漢字が多いです)」「これなに持っちゅうがー?」「なんでこれだけ牛に座っちゅうがー?」などなどの子どもたちの疑問に答えるレベルには至りませんでした。すべての仏の姿にはちゃんと意味があるそうで、仏像の世界はまだまだ奥が深いです。
私にとっても子どもたちにとっても「描く」ことはその世界(今回は仏像)への扉を開ける一歩だなあと思いました。 |