国吉晶子



 久々の個展を高知市内のアトリエ倫加で開催しました。普段から大きいサイズの絵を描く私は、アトリエ倫加の小さな空間の中にどうやって作品を配置するのかということで、悩まされました。一緒に展示する小品の制作にじっくり時間をかけたことも、初めての経験でした。
 それでもなんとか、窮屈な印象を与えることなく、いい感じで展示ができたように思います。お世話になったオーナーの倫加さんも満足してくれたようでホッとしています。
 ちょうど会期が重なったこともあり、お客様の話題は県展が多かったような…。芸術の秋とはいえ、個人的には県展、個展、グループ展と連続してしまって、てんてこまいでした。
 造形教室に通っていただいている生徒さんやご父兄の皆様にもご来場いただきました。ありがとうございました。これで満足することなく、県外での発表にも挑戦したいと考えています。

井関さおり

 10月は、工作のワークショップを2カ所で行いました。
 まず14日に日章小学校2年生たちと作ったのは「くるくるヘリコプター」。紙コップや色画用紙を使って作り、投げて飛ばすとプロペラが回りながら着陸するしかけの、遊べる工作です。
 日章小学校では工作作業のあと、自分のヘリコプターを飛ばして点を取るゲームの時間を設けてくれました。PTAの方々がゲームの様式を考え、子どもたちにメダルをあげたり、楽しい時間になるよう色々と工夫をしてくださっていたので、大変ありがたかったです。
 15日には美術館主催で、イオン高知にて「おみせをつくろう!」というワークショップを行いました。厚紙でお店の床と壁を作り、カラーの紙粘土や柄折り紙、モールなどを使って、それぞれ好きなお店の商品を作っていきました。
 一番多かったのはやはりケーキ屋さんで、他には服屋さん、八百屋さん、本屋さん、お寿司屋さん、スポーツ用品店、車屋さんなどなど。娘さんとお父さんが仲良く作っていたお店には、「ZAKKA&GOLF」という二人の趣味がそのまま合体した看板がついていて、微笑ましかったです。
 それぞれ全く違った場所でのワークショップでしたが、子どもたちも保護者のかたも楽しんでくださっているのがよく伝わってきました。学校の図工の時間は減ってきているそうなのですが、子どもたちにとってこういう時間ができるだけたくさんあればいいなあと思います。

高知国際版画トリエンナーレ展
都築房子

 今年第8回目を迎えたこの展覧会が発足した当時は、日本各地で他にも同じような版画のコンクールがたくさん催されていましたが、今ではそのほとんどが中止か休止となっていて、現在も続いているのはこのトリエンナーレぐらいしか残っていません。その意味でも貴重な存在であると思われますが、さらにその内容の充実ぶりには本当に驚かされます。
 先月、オープンしたばかりの本展を見に行ってきましたが、高知県民はもとより他県の美術愛好家の方々が多く訪れていて、大いに賑わっておりました。なかでも特に目を引いたのが大賞に選ばれたタイの作家の作品で、版画特有の黒の美しさと空間が魅力的で、見とれてしまいました。他にも外国の作家の作品が多く出品されていて、国際展と呼ぶにふさわしい内容となっていました。外国(特に開発途上国)の作家の方々の芸術に対する真摯な姿勢は、日本を含む先進国の作家たちの表現と比べて考えさせられるものがありました。
 高知ではこのようなレベルの高い作品が一度にたくさん見られる機会はそんなに多くありません。11月20日まで開催していますので、興味のある方はぜひ、いのの紙の博物館まで足を運ばれることをおすすめします。