毎年、今頃から年末にかけて、教室の廊下にねん土でできた多数のふしぎな物体が並んでいる光景に目をとめられた方があると思われますが、この物体の正体は来年の「えと」です。今作られているのは来年のえとの辰です。
このようなえと作りは今から十数年前から年々繰り返されてきました。はじめのうちは、ちょっとした思いつきから、石こうを使って簡単に制作し、年末の造形教室のクリスマスバザー用として50個くらい作っていました。ところが、紙の町いの町で和紙のお店を始められた方から、それを和紙で作って店頭で販売できないだろうかと話を持ちかけられたことから、それまでとは比べ物にならない数の「えと」を作ることになったのです。
毎年、春頃から次の「えと」のデザインの構想が始まり、夏頃には大体の形が決まり、9月から本格的な生産がスタートしています。この正式な形が決まるまでには、何十個も試作を重ねて、少しずつ修正がなされて、決定版が出来上がります。それまでの試作にもなかなか捨て難い味わいがあり、教室の年末バザーではいつも完売されています。私たちの努力の結晶である「えと」が来年もみなさんの幸福を呼ぶ縁起物として、喜んでいただけますようにと祈りながら次々と作っています。 |