1月末の買い付けは、前述したように飛行機の12時間の遅延によって1日目ですでにくたくたになってしまったが、その後はジャイプルの取引先を効率よく巡り仕事をし、日本へ商品を送る段取りもついて、後半余裕が生じた。
そこで、以前佐川のサード・アイの文さんに勧められていた、「プシュカル」へ行ってみることにした。
プシュカルは、イスラム教の聖地アジメールから山をひとつ越えたところにあるヒンドゥー教の聖地である。ブラフマー神を祀ったお寺があり、小さくて静かで穏やかな町で、プシュカル湖には52のガートがあるらしかった。毎度持参している「地球の歩き方」によると、1泊300ルピー(600円)で泊まれる宿もあるようなので、これはいっちょ行くしかないと思って28日の夜、急遽旅支度を整えた。
ジャイプルのゲストハウスを後にし、シンディキャンプのバススタンドからアジメール行きを探して8:15に乗りこんだ。キップは160ルピーだった。ジャイプルからアジメールまで、だいたい3時間くらいで付くはずだ。途中車窓からの景色を眺めたり、乗り込んでくるチャイワラから1ルピーでチャイを買って飲んだりしながら、10:40にはアジメールのバスターミナルに着いた。プシュカル行きの小さなバスに乗り換えて、10:50に出発。車内にはちらほら外国人旅行者の姿も見かけた。キップは18ルピー。ここからあと30分くらいだろうか。リュックを背負って旅バッグをガラガラ引きながら地図で何とか目星をつけていた宿を探し当て、荷物を置くや否やおもしろいものはないかとサダル・バザールを散策に出かけた。今回はお腹も壊さず元気なのが何よりだ。
センスのよいシルバー屋さんに巡り会って、いくつかの作品を購入。馬革のバッグも交渉してふたつ買った。夜には、見たことのないくらい大きな満月が出ていた。翌日はジャイプルに戻らないといけないので、早起きして湖へ沐浴する人たちを見に行った。屋台で‘プォーハー’というめちゃくちゃ美味しいサフランライスに似た食べ物を食べた。12:00に宿をチェックアウトし、14:00発のジャイプル行きのバスに乗ることができたので、帰りは乗り換えが必要なかった。
ジャイプルに着くと予約していたはずのホテルがとれておらず、ここでまたトラブルかと思ったけれど、近くのホテルを紹介してもらうことができた。
2月1日、デリー行きのバスの中で帰りの夜中の便の日付けを1日遅く勘違いしていることに気づいてそのまま空港に直行するなど、今回もいろいろあったが、帰国してからこれまでの旅の中で一番素敵だったのではないかと思った。
4月末に行ってきた青い町「ジョードプル」の話はまた機会があれば。 |