井関さおり

11月22日の日曜日、ギャラリーnBoxとして今年も「りぶらあと」に出店してきました。「りぶらあと」は県立美術館で本をテーマに開かれるフリーマーケットです。
昨年大変好評だった「本読み干支」を筆頭に、ARTIST'S BOOK展での本の作品・小作品・和紙ノート・ポストカード・造形教室おなじみの子ども椅子・自然素材のリース・雑貨など、いろいろと展示させてもらいました。
このイベントにはいつも本当にたくさんのお客さんが来られるので、市内からやや遠いnBoxでの活動を広く知ってもらうよい機会です。
今回はブースの位置が2階になり、昨年の1階よりも人通りが少ないのではと心配しましたが、そのぶんゆっくりと本の作品を手に取って見てくれるお客さんが多かったので、とてもよかったです。
昨年に続き今年の本を読む「寅」も好評で、「去年も買ったよ〜」と言ってくれる人も多数でした。持っている本は「トラばーゆ」に「寅はつらいよ」、阪神ファンにお勧めの「猛虎V奪還」「優勝への道」、小さい寅に「トラ一年生」、そしてお正月向け年賀状バージョンと、今年も各種作りました。お客さんが笑いながら買っていってくれるのが大変楽しかったです。
今年も活気のあるイベントとなったようで、参加できてとてもよかったです。
さあ次は造形のクリスマスバザーです!朝の入場者数ではりぶらあとにも負けないバザーに向けて、またせっせと寅さんたちを作っています。皆様のお越しをお待ちしています〜。

9. お正月の準備 都築房子

 昔の生活は普段はとても慎ましく質素な暮らしですが、ハレの日は特別でそのワクワクした気分は今ではとても味わえないようなものです。私の子ども時代はそのハレとケの区別がはっきりしていたことが今と大きく違っている点だと思います。
 その中でも一番大事なハレの日は何といっても「お正月」でした。お正月は元日の一日だけでなく、年末の一週間ほど前からその日に向かって徐々に緊張が高まっていきました。まずは大掃除から始まりますが、その日は1日中家族総出で家中の掃除に取り掛かります。今では考えられないことですが、家中の畳を全部取り外し外に出して陽に当てます。障子は張り替え、天井板もずらして煤払いをしたり、床下もきれいに掃きます。障子の張り替えの時には、普段決して破いてはいけないとされている障子紙に思う存分穴を空けて遊べるので子どもたちは大喜びでした。古い紙をすっかり取り除いてきれいに洗い流し、お母さんやおばあさんが新しい障子紙を張っていきます。煮炊きをするおくどの煙突も煤を払い、流しなど水回りもきれいにして、やがて夕方になると町内のあちこちの家からパンパンと畳を叩く威勢のいい音が響きます。こうしてすっきりした畳に、清々しい真っ白な障子、どこもかしこもピカピカに磨かれた家で新しい「お正月」をお迎えするのです。
 今の私たちの生活ではこのように1年の区切りがはっきりせずにだらだらと日常が続いているような気がします。このようなリセット機能が無い今の暮らしはいつでも美味しい物が食べられて、きれいな服が着られて、一見幸せそうですが常に何かが不足しているような不安がつきまとっています。今は「お正月」が子どもの頃のように特別な日でなくなったことが少し寂しく思われます。

メガネモン

11月8日に南国市の「つらゆき時代まつり」のパレードに出ました。私は南国市民なのですが、今年で14回目のこのお祭りに参加するのは初めてです。1100年前に「古今和歌集」を編集した紀貫之は、60才過ぎで京都から派遣されて土佐の国を4年間治めます。そして都へ帰る旅を「土佐日記」に書きました。その貫之にちなんだ総合的なイベントで、最終日は貫之と「源氏物語」の紫式部に扮した男女を乗せた山車を中心に、平安時代風の衣装を着た行列が練り歩きます。
私たちは朝6時に市役所の北の方にある社会福祉センターに集合して、お手伝いの女性たちに衣装を着せてもらいました。午前中はバスで貫之が住んだ所と土佐を船出した所へ移動してから、それぞれの行事の会場まで歩いて合流しました。私は「供奉」というお供役です。腰に大小の刀を差していましたが、大きい方はちゃんとサヤから抜けるのでビックリ。もちろん切れはしませんが……。
当日はよいお天気で日差しが強く、歩いていると暑いくらいでした。午後はセンターに戻って、昼休みとお弁当をもらいました。そして2時頃、先頭に幼稚園児の鼓笛隊を加えて出発。後免町の商店街から電車通りへと進みました。これが一番の行列で、たくさんの見物客に応援されながらメイン会場の商工会駐車場にたどり着きました。会場では行列の参加者がステージで順々に紹介されました。私は何だか初めてのことばかりで疲れましたが、日常では味わえない面白い体験でした。また、普段あまり意識することがなかった南国市としての一体感も実感できたと思います。