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ラーラ |
7月20日「野田正彰さん講演会『あすを開く対話』」がありました。精神科医から転じて社会や文化に病理を探る生き方をされている野田さんを、私は『日本の魯迅』と憧れ、今回の企画を通して気取りのなさに触れ『仲間』だと思いました。会場には女性、しかも働き盛りの年齢層が多く、雰囲気が違いました。いつも硬派代表のような話しっぷりの野田さんなのに、冗談が出たり、会場から笑い声やため息が聞かれたりで、常連は驚いていました。
講演の内容は、異質なものを排除し同質なものだけで安心してきたムラ社会から、黒船以来、欧米列強に追いつき追い越せと不安を煽り競争と上下関係を強いる近代日本へと移り、その延長線上にある現代日本社会や文化を、人間ひとり一人の可能性をひきだそうとするアイスランドの社会や文化と対比させ、高知県の財産は人間だとしめくくるものでした。感想に「高知で何かことをおこそう」というメッセージが散見され、わが意を得たりと嬉しくてたまりません。一部ご紹介しましょう。
・人を大事にしない社会をまともにするには、高知で自分らが何をしていくかが、これから大事やと思った。(50代男性)
・80万県民、海、山、川、地下資源豊富です。アイスランドと同じ高知県をつくりたいものです。全国で高知県が最初の教訓をつくるのではないでしょうか。(80代以上男性)
・要は私たち人間だという先生のお考えに共感いたします。お話いただいたような私たちの社会を造りたいと思いますね。良いお話でした。(50代女性)
・ひとり一人の可能性をひきだす社会に向けて、高知を改革していく必要を感じました。ふだんのモヤモヤに、提言をいただいた感じです。良かったです。(60代女性)
・「きちっと分析して目標を立ててやれば、財産である個々の人間の支え合いで地域を変えることができるんだ」という話にハッとしました。くるくる変わる国の施策に踊らされて、何も見据えようとしてないことに気づきました。(50代女性)
・「私たちの財産は私たち自身である」官民ともにそのような社会づくりをしないといけないと感じました。「ちゃんとしたプランをもって変えていく。」分かるのですが、私自身一歩が出せない。自分自身をまだ財産として見れていない。強い権力には弱い自分を感じます。(50代女性)
・高知の特色は「人間」というお話が印象に残った。いまの社会がいかに不自然な社会であるかということに改めて気づかされ、「今ここで生きている人が幸せに生きている」ということがいかに大事かと気づかされました。(50代男性)
・高知県でできることを考えることは参考になりました。でも、私たちは昔から変わらない社会のしくみの中で生かされている、そのことに今怒らなければならないのに何も言わない、情けない自分があります。(60代女性)
・日本社会の抑うつ気分がどこからくるのか、日本人はどのように追いつめられているのか、よくわかりました。(50代女性)
・欧米文化へのコンプレックスをてこに、私どもの今日がいまも生き続けていることを教えていただきました。けれども、チロルの村々、アイスランドの話を伺って、希望を持ちました。にもかかわらず、天皇制をしいた明治の維持ということを改めて思い返しています。(80代以上女性)
・野田さんのお考えにとても共感するものがあります。新聞記事は必ず読んでいます。近代史について知らないことがたくさんあったので、人物伝など読んでみます。(50代女性)
・きょうは目からウロコのお話ばかりでした。この夏アイスランドに足を運んでみたいと思いました。高知の自殺者は娘や息子に迷惑をかけないために死ぬ、3世代世帯の人が多いと聞いて、まさに自らをゼロに考える人だと思いました。(20代女性) |