1999−死者たちの夏
雨の多い夏だった。
8月31日、子どもたちの夏休み最後の日も雷雨となった。
この夏、流されたたくさんの涙を思い起こさせるような、激しい雨であった。
毎年、夏の終わりの頃となると、あんなに忙しく様々な出来事があったにも関わらず、つい「今年も何もない夏だった」というような思いに駆られて気分が落ち込んでしまう。
しかしさすがに今年の夏は、そんな風には思えない。
たくさんの死者たちの想いを受け継ぎ、さらに生き続けなければならないと思うと、落ち込んでなんかいられない。それが生きている者の使命である。
あと4ヶ月で1999年は終わる。