岡田篤子

 毎年ゴールデンウィークに開催されている、黒潮町入野の浜のTシャツアート展へ家族で行ってきました。15年ぶりに訪れましたが、風にひらひらと舞うTシャツの数は当時よりぐんと増え、たくさんの観光客でにぎわっていました。

 砂浜美術館では、Tシャツはもちろん、美しい大自然がすべて作品。我が子たちは自分が描いたTシャツを探そうともせず、服を着たまま海にざぶざぶ・・・。
たくさんの子どもたちが波とたわむれていて、子どもたちにとって一番人気の作品は『海』だったようです。

 ずらりと並んだTシャツをじっくり見てみると、絵や写真、色々なパターンで個性的な作品がたくさんありました。それぞれに想いを込めて制作されているなぁ、と感じました。いつも子どもだけに出品させていましたが、来年は私も描いてみようかな、自分の作品がこの中に並ぶのを見てみたい!という気持ちになりました。今年で第24回のTシャツアート展、これからも長く続いてほしいと思います。
     国吉晶子

 5月20日(日)県立美術館で「シャガール・愛の物語」展関連企画として、「シャガール体操」のワークショップが開催されました。
「美術館の中庭で体操?」とまず疑問を持った方が多いと思います。シャガールの絵画作品をただみるだけではなく、音楽に合わせて、自ら絵画の中の人物と同じポーズをとってみようという試みです。高知新聞の広告もインパクトがありましたね〜。
「自分は体が固いから」「恥ずかしい」「勇気がない」など遠慮される方も多かったのですが、見学者も含め、当日は多くの方にお集りいただきました。それにしても、皆さん余裕がないのか、笑顔というより、表情が固く、真剣そのもの!
 講師である高橋唐子さんの解説を聞きながら展示室で絵を鑑賞した後、中庭に出るとちょうど小雨も止んでおり、気持ちのよい体操日和となりました。
 高橋さんは、2003年に静岡県立美術館でロダン彫刻のポーズをとる「ロダン体操」を制作して話題となりました。今回、この展覧会に合わせて、神奈川県からやって来られました。一緒に来られたインストラクターの松本郁さんともども、実は私の大学時代の友人です。
  個人的な感想としては、高橋さんの持っているよさがそのまま作品(体操)になっていたような気がしました。彼女の美術に対する考え方が、自然と「体操」という表現にたどり着いたのだなあと感心しました。高橋さんの「ベラ、ベラ、I love ベラ〜」という声は妙に耳に残り、夜になっても私の頭の中を回っていました(ベラはシャガールの奥さんです)。
 勇気を持ってご参加くださった教室の生徒さん、関係者の皆様、本当にありがとうございました。そして高橋さんの次なる作品にも期待しています!



都築房子

 6月2日(土)より香美市立美術館では「寺尾孝志の世界」展が開催されます。この展覧会は、高知県の芸術界で長年リーダー的存在であった寺尾さんのこれまでの歩みをご覧いただくものです。
 寺尾さんは5年前に71歳で亡くなられていますが、若いときからずっと前衛的な作品を発表してこられ、立体的な表現もありました。これまで、まとまった形で発表する機会があまりなかったため、これが同じ人の作品だろうかと思うほど、その作風が変化しています。1人の人間が一生をかけて切り開いてきた世界をぜひ多くの方々に見てほしいと思っています。