アフリカ起源の人類

はっきり判らないことが多い人間の起源ですが、恐竜の研究と同じように化石の発見と分析で着実に研究が進んでいます。哺乳類である人間は猿の仲間です。骨をはじめ体の構造が似ている上に、体を作る遺伝情報が含まれるDNAという物質の配列は人間とオランウータンで約96%、ゴリラで97%、チンパンジーでは98%同じです。ちなみに人間とネズミでは60%だとか。人間と猿は同じ動物から進化してきましたが、今から約700万年前に二足歩行を始めたことで分かれたと考えられています。当時のアフリカで森が草原へと変化する中、草原を歩くようになったものが猿人、森に残って生き延びたものが後にゴリラ等に進化したようです。進化は突然ではなく、長い間に遺伝子が少しずつ変化して受け継がれた結果です。さらに何百万年も後に猿人の一部から石器を使う原人が現れます。狩りをして栄養のある肉を食べる原人は、体も脳も大きくなりました。やがてアジア、ヨーロッパへと旅立っていきました。各地で原人たちは独自に発達し、火を使うものが現れました。しかし、アフリカで今から十数万年前に現代の人類の先祖である新人が出現してまたそれが世界へ広がり、他の原人や旧人は原因はよく判らないものの全て絶滅したという説が有力です。体の細胞の中にいるミトコンドリアのDNAを調べてその変化をたどっていく研究によると、人類共通の先祖はアフリカにいました。結局、人類はアフリカで3回誕生したとも言えるわけです。かつては原人→旧人→新人と進化したと考えられていましたが、今では旧人のネアンデルタール人が私たち新人とは別種だったと判明しています。これら原人や旧人は本当はまだ絶滅しておらず、現代で目撃されている雪男やビッグフットがその子孫ではないかと考える人々もいます。