ノアの箱船

聖書の有名なノアの物語。世界中に残る大洪水伝説の1つです。もっとも、四大文明をはじめ殆どの大きな古代文明は、大きな川沿いに栄えました。豊かな恵みをもたらす反面、時には大洪水が起こります。当時の人々が全世界が滅んだと思う程の被害もあったでしょう。さて、ノアの家族と動物達を乗せた箱船は、トルコのアララト山に着いたとされますが、そこには昔から、本当に箱船が埋もれているという話があるのです。雪と氷に覆われ、標高5000mを越えるトルコで一番高い山です。1829年に初めて公式の登山が行われて以降、登った人々による箱船の目撃談や、その残骸らしい木片、船のような地形の写真等がもたらされます。それと並行して、飛行機からの目撃や撮影もありました。1949年にはアメリカの空軍と情報機関が、偵察機で写真撮影をしています。アメリカのリッチモンド大学のテイラー教授が、情報自由法に基づく請求をしてDIAから1995年に公開されました。CIAが1970年代に偵察衛星で撮った精密なものは未公開でしたが、断片的ながら一部公開された記録と元関係者の話から、調査が行われていたことは明らかです。1991年、考古学者らが山の近くでクルド人に誘拐されました。トルコでは政府とクルド人の争いがある上に、アララト山はイランとアルメニアとの国境地帯です。以後、軍事行動のために政府が立ち入りを禁止してしまいました。一般の現地調査ができなくなった今では、衛星写真が頼みの綱です。教授はアメリカの新聞ワシントン・タイムズの協力で、商業用の観測衛星を利用。2000年に高画質の写真を入手しました。この分析をした科学者チームの7人中4人は何らかの人工物と考えています。今年の夏には、更に高性能の観測衛星を使い、最高の写真を撮影したいとしています。