古代の電気技術

1937年、イラクで約2000年前の遺跡から発掘された小さな壺(高さ15cmほど)。その中は、銅の筒に鉄の棒を組み合わせたふしぎな構造でした。同じものが他の遺跡からも見つかっていました。これを調べた学者は、なんと「電池」であると断言します。やがて第二次世界大戦の後、その壺と同じものを作って、お酢などを入れて実験してみると、電気が発生することが確認されました。当時、この地域では見事な金細工が作られており、金箔をはるのに電気を使ったようです。しかし、そのために電気を発生させる技術をいつ、どのようにして知ったのでしょう。
1956年、中国で約1700年前のお墓から見つかった帯留めはアルミニウムで出来ていました。この金属は自然の中ではそのままの形では存在していません。それだけを岩石から取り出すには、大量の電気が必要なのです。作った方法は今も分かっていません。
一方、エジプトのある神殿では2000年以上前の地下室に、電球のような奇妙な壁画が彫られています。地下やピラミッドの中は真っ暗なので、明かりがなければ細かい作業はできないはずです。長い時間、火を使っていると天井にススがついてしまいますが、その跡がありません。もちろん電気の明かりならば大丈夫ですが、古代のエジプト人は電球を使っていたのでしょうか?